ー新伝ー伝説を継ぐもの【3】

ーラスタ・ラヴー

拳二「ここだ、ここ。ガキのことだったらここで情報集めんのが楽だ。」

久良三「アンダーグラウンドバー?」

拳二「かっかっか、俺ぁもよく来るんだが。ここには王様がいるんだよS・ウルフのな」

久良三「王様」

本郷「……」

拳二「おう、崇居るんだろ」

本郷「ふっ……」

崇「…珍しいな、お前が悠以外のヤツを連れてるなんて」

拳二「ちょっとな。お前に聞きたいことがあるらしいぜ」

崇「薬のことなら知らないぞ」

久良三「こいつは驚いた。色んな意味で」

拳二「あー?」

久良三「虎戌琥組の坊っちゃんがいらっしゃってる事がひとつ、こっちが薬の話しをすることがばれてるのがひとつ、街最大のチームの王様が虎戌琥さんだったこと」

崇「ふんっ、おべんちゃらは良い用件を話せ」

拳二「自己紹介も無しかよ」

崇「そっちの人間には興味がない」

拳二「俺ぁもお前もこっちの人間側だろ」

久良三「まぁまぁ……では、失礼して薬のことです。なにかしっているんですよね?」

崇「聞こえてなかったのか?知らないと言ったはずだ」

拳二「だったら、なんで薬の話しって分かったんだよ」

崇「ガキの問題でお前ら系が尋ねてくるのは手に負えない大馬鹿のことか、薬のことが大半だ。大馬鹿の存在はこっちにもすぐに情報が入るから違う。だとしたら薬。今流行りの合法ドラッグ問題の可能性が高いと推測しただけだ」

拳二「ほう……っか、じゃあ知ってんだろ」

崇「同じことをいわせるな知らん。少なくともS・ウルフでの被害は無い」

久良三「なるほど」

拳二「どうするよ?」

久良三「そうですねぇ……薬自体がなんなのか、それとどういうルートでさばいてるのかも分からないし」

崇「それは何も分かってないというんじゃないのか?」

久良三「ははっ、まったくその通りです」

拳二「おいおい……」

崇「だが、妙なものをバラまかれても困るのは確かだ」

久良三「では?」

崇「薬の現物はあるのか?」

久良三「こちらに」
コトッ…

崇「……ふむ、印もなにもなしか。しかもむき出しの錠剤で瓶詰め」

拳二「あんがい本当にタダのビタミン剤だったりしてな」

崇「……なんとも言えないな」

久良三「でしょう」

崇「この薬を持ってたやつらは?」

久良三「逃げられて、今ひとりの目撃者に情報集めさせてますよ」

崇「手詰まりだな。もっとまともにカードがそろってから尋ねて来い」

久良三「ですね……。」

拳二「かっかっか、ま、いいじゃねぇか。特に問題になってねぇんなら」

久良三「ははっ、はぁ…」

崇「気楽なやつだ」

拳二「俺ぁは考えるのが専門じゃねーんだよ」

崇「くくっ、そうだったな。いった俺が馬鹿だったよ」

久良三「はははっ。」
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