ー新伝ー伝説を継ぐもの【3】

ー宗方フルーツー

六花「暑い暑い暑い暑い暑い暑い……………暑い暑い暑い暑い暑い………」

六花母「……」

六花「……あー、暑い暑い暑っ」

六花母「うるさいっ!」

ゴンッ!
六花「ぎゃっ!」

六花母「アンタは店先で無駄に大声出すんじゃないよっ!!」

六花「こんな暑い炎天下に店番なんかさせるなーっ!!」

六花母「店番せずに何すんだい」

六花「歌う」

六花母「歌う元気があるなら客呼び込みな」

六花「……」

六花母「……」

六花「す、ストリートファイト」

六花母「誰かをけっ飛ばしてる元気があるんならフルーツの配達行きなっ!」

六花「配達……配達行きまーす」

六花母「やけに素直じゃないかい途中でサボったら閉め出すよ」

六花「……店番してる」

六花母「はぁ……まったく、女の子らしいことは一つも覚えないのにやたらめったら強くなるばっかりで何がしたいんだか」

六花「さぁ、あたしも良く分かんないけど…………闘ってる時は頭の中が真っ白になってその日はすっごく眠れるよ」

六花母「頭の中が真っ白なのはいっつもだろ」

六花「ひでぇ、我が親ながらひでぇ」

六花母「うるさいよ。だいたいアンタが夜寝れないのは昼間学校で寝てるからだろう。はーやれやれ、良いかい。あたしゃ、今から配達いってくるけどちゃんと店番してなかった時は……」

六花「時は……?」

六花母「アンタのギターは無くなると思ってな」

六花「ゾッ……あ、あのギターがいくらすると!」

六花母「きっと高く買ってもらえるだろうねぇ」

六花「しっかりと店番務めさせていただきます」

六花母「よろしい」

六花「はぁ……どうせ客なんてくるわけ」

久良三「すいませーん。」

六花「をっ、いらっしゃいませ」

久良三「お見舞い用にフルーツの詰め合わせみたいなのが欲しいんだけど」

六花「(無機質な黒スーツヤクザか……)はいはい、えーと、大きさは?」

久良三「んー、そこそこでかめで。あっ、そのスイカ一玉もつけてくれ。お代はツリいいから」

六花「どうもでーす。どうぞこれ」

久良三「ん?」

六花「サービス、メロンとパイン串一本づつどーぞ」

久良三「それはありがたいね。ありがと」

六花「いえいえー。」

久良三「がぶっ……ん、甘いな。これから御贔屓にさせてもらうよ」

六花「どうもでーす」

久良三「さて、休憩終了行こうかな」

六花「……」

崇「今の男」

六花「わっ?!」

崇「あれは四ッ谷組の若頭だな」

六花「いつのまに……」

崇「通りかかったらお前がいたからからかいにきた」

六花「帰れっ!」
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