ー新伝ー伝説を継ぐもの【3】

ー久良三の家ー

独「おじゃまします」

久良三「おっ、来たか」

独「ういっす」

久良三「お前ってさ将棋できる?」

独「は?」

久良三「しょーぎ、できるか?」

独「まぁ、駒の動きはひと通りわかります」

久良三「じゃあ、やろう。ならべ終わってるから」

独「は、はぁ……」

久良三「俺ガキの頃は将棋部だったんだよな。」

独「渋いっすね」

久良三「麻雀部が無かったからな」

独「あれって実際部活であるところあるんすか?」

久良三「大学とか高校なら有るんじゃないかな。よく分かんないけど」

独「強かったんですか?」

久良三「中の下ぐらいだったな。ひとりやたら強い奴が居たんだけど」

独「へぇー」

久良三「舐めた態度だったから喧嘩してボコボコにして俺が辞める羽目になったんだけどな」

独「……」

久良三「あ、勘違いはやめてくれよ。俺はそのころは実に文系のインドア少年だったんだ。ロクに喧嘩なんかしたこと無かったしな」

独「じゃあなんで……って、舐めた態度だったからですか?」

久良三「うん。」

独「そんなに酷い態度だったと?」

久良三「酷いっていってもまぁ子供の頃の事だからちょっと調子に乗ってただけの事なんだけど……先輩をバカにしててな」

独「先輩をバカに?」

久良三「俺は昔から「長幼の序」を大切つにしてる。だから、ちょっと礼儀を教えてやったつもりだったんだよ」

独「王手っす」

久良三「……」

独「……待ちましょうか?」

久良三「いや、続けよう。こっちに逃げる」

独「そうきます……か」

久良三「まぁ、勝負事になると上も下もないんだけど。それでも最低限のマナーは大切だろ」

独「ですね。」

久良三「っで、まぁ……俺の話しはともかく、単純で簡単に強くなる方法をお前に今日は教えてやろうと思ってたんだ」

独「そんな方法があるんですか?」

久良三「うん。超単純」

独「というと……」

久良三「筋トレしなさい。そうだな……とりあえず腕立てだけでいいから」

独「……えーと、筋トレっすか」

久良三「そう。誰でも必ず身につくものそれは筋肉だもん。本気でやる気があるなら筋トレだって真面目に取り組めるでしょう」

独「……それはえっと、どのくらい?」

久良三「できる限り。50でも100でも」

独「10回では……?」

久良三「なに、腕立て出来ないの?」

独「俺、体力ないんです」

久良三「じゃあ、シャドー」

独「影?」

久良三「シャドーボクシング。空手で言うと正拳突き。剣道で言うと素振り……とにかくパンチの練習しなさい」

独「パンチの練習……」

久良三「あとで形だけは教えてあげるから」

独「それの回数は……」

久良三「そだな……1000本」

独「せっ……」

久良三「ただ、パンチを打つだけなんだ。その五倍くらい頑張ってくれてもいいよ」

独「五倍……5000本」
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