ｰ池袋界隈ｰ

チンピラA「兄ちゃん、怪我したくなったらどけよ。その女差し出せば許してやる。」

神姫「……」

独「いや……それしたら俺ら両方が酷い目に遭うし」

チンピラA「なにごちゃごちゃ言ってやがる!」

ガッ!
独「ぅぁっ?!」

神姫「下がるな。怯えるな。ちゃんと見ろ!」

ゲシッ!
独「痛っ(殴られて下がったら後ろからは蹴られた?!)」

チンピラA「へへっ、なんだコイツ」

チンピラB「いいからとっとと決めちまえよ」

独「あ、あの……どうしたら」

神姫「こっち見ない。腕をちゃんと上げて構えて前に集中!それが出来なきゃ何も始まらない!!」

独「っ!」

チンピラA「ふざけてんのか死ねっ!」

ビュッ!

独「ひっ……。」

パシっ!
チンピラA「あっ?!」

独「あ、れ……(今、弾けれた?)」

神姫「よく見ろってんでしょ!ナイフや刀持ってる訳でないし手足の数は同じ!その程度の速さなら対処できないわけ無い。」

チンピラA「このっ!」

ビュッ!パシっ!
ビュッ!パシっ!

独「(い、いける。確かに怖いけど見えるし、あの人よりか断然遅い)」

チンピラA「はぁっ、このッ!!」

神姫「左腕、肘を引かずにまっすぐ伸ばす!」

独「っ!!」

ドッ!
チンピラA「ぐぇっ……っ、て、てめっ!!」

独「あたっ……た?」

神姫「だから、ボッとすんなっ!次右!」

独「うっ……わぁっ!!」

ゴッ!
チンピラA「がっ……!?」

独「わぁぁぁぁぁっ!!!」

ゴッ!ゴッ!ゴッ!!
パシっ!
神姫「もういいわ。上出来よ」

独「はぁはぁ……はぁ…!」

チンピラA「も゛、も゛ぅ゛……やべでぐれっ……」

チンピラB「こ、コイツ……!」

神姫「邪魔」

ゴリュッ!!
チンピラB「……かっ?!」

独「(うわっ……顎一撃)」

神姫「これからの課題は……パニくらないことね。とりあえず逃げるわよ」

独「え…逃げ?」

神姫「日本の警察は優秀。もう結構な時間立ったし余裕で来るわよ。捕まりたくなかったら走る」

独「っ……ま、待ってください!」





ｰ池袋:路地裏ｰ

独「ぜひゅ、ひゅひゅ……し、神姫さん?ちょ、居ない……しっ。」

神姫「居るわよ」

独「ひっ?!」

神姫「いちいちビビるのやめてくれない?」

独「ま、前走ってた人がいきなり後ろに現れたら誰だって驚きますよ」

神姫「まぁ、そんなことはどうでもいいわ」

独「(どうでもいいって……)」

神姫「覚えときなさい。ああいう目立つ所でやるなら最長で三分以内に決着(けり)つけなさい。でないとおまわりが来るわ。それじゃ」

独「えっ、あ、あの……それだけですか?」

神姫「それだけよ。とりあえず、今日は帰んなさい。」