ー新伝ー伝説を継ぐもの

ー陵桜学園高等部教室ー

担任「テストを返します。がりゅーちゃん」

京「はい」

【がりゅう京】
0点

担任「がりゅーちゃんは日本に帰ってきたばかりなんだし…解らないところは私も教えてあげるから。ゆっくり頑張っていこうね」

京「はい……」
トボトボ…

白嶺「……がりゅー、放課後ちょっといい?」

京「うん?」



~放課後~



白嶺「この「こそ」に対しての結びは已然形だから、答えは(ロ)の「ほしけれ」になるの。わかる?」

京「む……」
プシュー

白嶺「今日はここまでにしましょうか。じゃあ最後に臥劉京って書いてみて」

京「臥劉京…」

白嶺「ふぅ…なんとか自分の名前は漢字で書けるようになったわね。」

京「ありがとう。詠子。詠子のおかげだ。」

白嶺「良いけどね。10年も中国にいたんでしょ?」

京「そうだ。」

白嶺「そういえば、がりゅーはどこに住んでるの?」

京「親戚の神姫姉の所にいる。神姫姉にも悠にも勉強教えてもらってる。」

白嶺「そうなんだ。」

京「……詠子は偉いな。」

白嶺「急になに?」

京「一番になるって大変だ。己(おれ)悠を助けるために帰ってきたのに、悠に助けてもらってばかりな気がするんだ。」

白嶺「悠って…小鳥遊先輩よね。」

京「詠子、知ってるのか?」

白嶺「ある意味、有名人だからね。」

京「そうか。うん、やっぱり悠お兄ちゃん凄い//」

白嶺「……ねぇ、昨日のホームルーム、皆の前でいったことは本当?」

京「?」

白嶺「つまり、がりゅーって本当に小鳥遊先輩の事が好きなの?」

京「好き?じゃない……だいすきなのっ///」

白嶺「そ、そう。」

京「悠お兄ちゃんは少し頼りないところもあるけど、優しくて、一生懸命で、頑張り屋さんなんだ。己(おれ)はそんな悠お兄ちゃんがだいすきだ」

白嶺「(普段うわさに聞く小鳥遊先輩とは違うような…?)」

独「あれ…白嶺とがりゅー。まだ残ってたのか」

白嶺「もう帰るところ。そっちは?」

独「教室の鍵閉めるの頼まれた。」

白嶺「独が?」

独「なぜかよくやらされるんだ。」

白嶺「雑用に使われてない?」

独「考えないようにしてるんだ。いわないでくれ」


白嶺「自覚はあるのね。あ、がりゅー。これは友達…ねぇ、私たちって友達?」

独「友達…かな。天涯独だ。」

京「天涯独。うん。覚えた。己(おれ)は…」

独「がりゅーな。しっかり覚えてる。」

京「独は頭いいんだな」

独「はじめて言われた」

京「そーなのかー?」

白嶺「頭の良し悪しの判断がまだ弛すぎるのよ」

独「みたいだな。」

京「そーなのかー」

白嶺「さっきから…それは癖?その部分的に「そー」とか「かー」って伸ばしてるのは」

京「悠に教えてもらった。「そうなのか」は「そーなのかー」っていうといいって」

白嶺「それ、忘れていいわよ。」
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