ー新伝ー伝説を継ぐもの【3】

ー池袋:西口公園ー

亮「つまり…………人を殴るのも怖いけど、殴られるのも怖いと?これであってるか?俺はあんまり話しを整理したりするの苦手なんだけど」

独「概ねそれであってます」

亮「ふーん、っていうか……それだったら別に無理に街に出なけりゃいいんじゃないか?」

独「……そうなんですけど」

亮「それに動機がブレまくってないか?」

独「は?」

亮「いや、まぁ……いろいろと動機を持つことは分かるんだけど、最初は何となく流れで強くなりたくて、次が好きな女のため、っで今が……?」

独「怖い目に遭いたくない」

亮「だろ……どうなんだろうな。」

独「ですよねぇ。ぶっちゃけ……俺も良く分からないんすよ。」

亮「うーん……。もし、例えばお前が強くなりたいとかの理由なら空手の道場を紹介することはできる。けど、お前をどう後押ししたらいいのかは……俺には全然わからない。」

独「ですよねぇ……。俺が分かってないのに当然です」

亮「自分のことが見えてるのか、見えてないのか分かんない奴だな……。」

独「いゃあ、はは」

亮「褒めては無いぞ」

独「はい……。」

亮「お前ってさ、街で遊ぶタイプなの?」

独「遊ぶっていうか……ぶらぶらとはしてますよ。用事が特にないなら家帰るのはいつも夜中前ですね」

亮「なんで?」

独「なんででしょうか……ただ、なんとなくですかねぇ」

亮「悠に似てんのか……?」

独「はい?」

亮「なんでもない。なんでもないけど……そろそろ解散しよう。俺道場の時間だし」

独「あ、はい。御引き留めして申し訳ないっす。」

亮「いいよ。あ、一応電話番号教えといてくれ。」

独「え、あ、はい」

亮「もし、空手習いたいなら連絡くれ紹介するから」

独「どうもです……そういや、先輩って黒帯なんすか?」

亮「あー、ははっ俺は色帯だよ。ワザと取ってないから」

独「わざと?」

亮「警察に捕まったとき、有段者だったら凶器による行使とみなされる場合が多いんだってさ」

独「それって……ケンカするために?」

亮「そうだな。馬鹿な理由だろ。でも、けっこー居るんだよそーいうやつ。」

独「そうなんすか」

亮「ここだけの話し。それは館長に言われたんだけどな今とるのは勿体ないどうせ取るなら馬鹿やめてから取れ……って」

独「馬鹿やめてから……?」

亮「まぁ、なんていうか空手を本気でやるならウチで雇ってやるって言われててな。気にいられてるんだよ」

独「おー……やっぱり凄いんすね」

亮「いや、まだまだだけどな。そう居場所を見つけれたのも喧嘩(バカ)やってて見つけたから……まぁ、お前の気持ちも良く分かるんだよ。街にうろつきたいって理由も強くなって見たいっていうのもな」

独「……」

亮「じゃ、またな。学校で会ってもよろしくしてくれ」

独「はい」

亮「……最後にひとつ」

独「えっ?」

亮「この時間帯なら、悠……小鳥遊悠は街に出てるぞ会いたいなら探してみるといい」

独「……」
55/100ページ
スキ