ー新伝ー伝説を継ぐもの【3】

ー東欧某国ロシア国境付近:20tトラック社内ー

ブロロロッ!!

柏「……」

王「もしもーし?もしもーし?駄目だねぇ。謎の電波障害で通話不可なのだわん」

柏「ちっ……おい、光臣、漆原なんか見えるか?」

漆原『なんも見え……!なにが……トラックのうえで……』

柏「周波がずれてるぞ。ちゃんと合わせろ」

光臣『柏様』

柏「どうした」

光臣『前方に軽WAV(装輪装甲車)が止まっています』

柏「この国の国境警備車両か」

警備員「『止まれ!止まりなさい!』」

王「止まる?轢く?」

柏「止まってやれ」

キッ……ガチャ……

警備員「『こっから先は危険だ。いったいなんの荷物を運んでいる』」

柏「『なんも積んでねぇよ。長距離移動用にこれを用意しただけだ。』」

警備員「その割には武装護衛を着けているな」

光臣「……」

漆原「……なぁ、あれは何語だ?」

光臣「……」

漆原「無視かよ」

王「おー、ねっ、ねっ、あっち見てあっち。」

警備員「『コラ、勝手に動くなっ!!』」

トパトパトパ!
トトトトトトッ!
ドドッ!

柏「ふーーーーっ……」

王「わっはははは。燃えてるねぇ。」

漆原「なんじゃこりゃ……」

柏「お前もいってただろ。パイプラインの奪い合いだ。こりゃもー立派に戦闘地域だな。電話が通じない理由もコレだ。GMS携帯電話基地、電話局、マイクロ波通信の施設とかを、ふっ飛ばされたりふっ飛ばしたり。したらそれを逆手に情報統制する。衛星だって万能じゃねぇ。秘密裏の戦闘」

漆原「随分と詳しいな」

柏「ふーっ……『おい、そこの税金泥棒』」

警備員「『な、なにぃ』」

柏「『武器商が来てるだろ案内しろ。』」

警備員「『お前ら本当に何者だ』」

柏「『MI6の特別諜報機関の者だ。AAのな』」

警備員「『MI6でAA……どうぞ、ご案内します』」

王「すっごーい。対応が変わったねん」

柏「……車に乗れ。お前らも中に入っていいぞ」

光臣「御意」

漆原「はぁ……。なぁ、AAってなんだ?」

光臣「……殺人許可権限」

漆原「なに?」

光臣「柏様は個々の判断により殺人を許可されている。あらゆる地域でな」

漆原「殺しに理由がいるのか?」

光臣「貴様らのような奴らを殺すために理由が必要ないのと同じことだ」

漆原「……」

光臣「……」

柏「おい、お前らさっさと中に入れ狙撃されるぞ」

光臣「失礼しました」

漆原「狙撃って……」

王「ウルたん両手広げて立っててみる」

漆原「冗談じゃないですよ」
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