ー新伝ー伝説を継ぐもの【3】

ー東京大学医学部付属病院:病室ー

弩躬「ふぅーー……998、999、1000!!」

柏「よう」

弩躬「う……おわっ?!柏さん」

柏「なんだ、見舞いに来るのが遅かったか。」

弩躬「足はまだ痛んすけど……ヒマでヒマで、筋トレでもしてないともーやること無くって」

柏「そうか……。姉貴の面倒事でわるかったな」

弩躬「あ、いや……」

柏「とでも言うと思ったか。油断して万全の態勢を整えないで挑むからこーゆー目に遭う」

弩躬「そうっすよね……。」

柏「まぁ、それはいい。」

弩躬「じゃあ、本当にただの見舞いですか?」

柏「そんなわけ無いだろ。今からそいつを狩りに行く」

弩躬「狩りってことは……」

柏「当然殺す。まぁ、生け捕りが望ましいがな。まぁ、その仕事が終わったら王狐文に会い、別件で東欧に飛ぶ……お前はどうする同行(つい)てくるか?」

弩躬「ちょい待ってください。かなりハードスケジュールですね。」

柏「あぁ、東欧のは急にはいった件だからな。だが、明日には向かう予定だ。少なくとも今日中には袋野郎を狩って王に会う」

弩躬「行くのはご一緒したいですけど……今の俺じゃあ足手まといなんじゃ……」

柏「まぁな。」

弩躬「あはは……。」

柏「だが、お前が必要になる可能性が高い。それに……最期を見ておきたいだろ?お前を負かした男の最期を……。」

弩躬「……分かりました。御同行します」

柏「よし、ならいくぞ。」

弩躬「ちょ、今からっすか?」

柏「もう手続きは済んである十分やる。準備して外に来い」

弩躬「はいっ。」






ー亜細亜界:廃ビルー

光臣「…………」

柏「光臣」

光臣「……ペコリ」

弩躬「石田さん、どーも」

柏「対象は?」

光臣「この廃ビルの中に消えました。出てはいません、確実にいます」

柏「そうか。初めから全力を許可するが……あくまで目的は刀の奪還だ。なるべく壊すな」

光臣「御意」

弩躬「……石田さん」

光臣「……」

弩躬「気つけてください。器用なやつです」

柏「ははっ。なら、不器用な光臣とは正反対だな。」

光臣「……」

紙袋男「なにか御用かな」

弩躬「っと……(いつのまに)」

柏「なるほど、聞いていた通りふざけた格好だ。単刀直入にいう死にたくなかったら刀を返せ」

紙袋男「……断る」

柏「光臣!」

光臣「シィっ!!」

ビュッ……ギャン!!

紙袋男「むっぬ!!」

柏「ほう……光臣の一撃を受けたか」

弩躬「ちょ、今俺の頬スレスレに刃が走ったんですけど」

柏「……頬切れてるぞ」

弩躬「へっ?うわっ……めっちゃ血出てる」

紙袋男「なんという重い一撃、そしてなんという大太刀!!」

ギリィィィッ!

光臣「語るに……及ばず。」
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