ー新伝ー伝説を継ぐもの【3】

ー新宿:亜細亜通りー

亜細亜通りとは新宿区の一区画の裏通りに無認可滞在者が住みつきだした結果、日本のスラム街のようになりだした区域。ほとんどが中国人のため、いつの間にか亜細亜通り、亜細亜界などと呼ばれ出した。その区域内の人口は大よそ300~400。中では放棄されたビルに住み着いて料理店や怪しい店なども多々存在するという噂もある。

弩躬「ここかぁ……さて、どうしようかな」

中国人「……」

弩躬「めちゃくちゃ見張りが居るしなぁ……絶対普通には入れてくれそうにないし……少し情報集めるか……」

女子高生A「でさー」

女子高生B「マジで―」

弩躬「あ、ちょっと君ら」

女子高生A「はい?」

女子高生B「なーに?」

弩躬「変なこと聞くんだけどさ。あそこの亜細亜通ってとおれないのかな?」

女子高生A「えーと……もしかして、お兄さんへヴン探してる系?」

弩躬「へヴン?」

女子高生A「あ、私らが持ってたり使ってる訳じゃないよ。噂噂」

女子高生B「一時期スネークバイトっての流行ったじゃん?あれより超飛べる薬らしいよぉ。マジかどうかは分かんないけどお」

弩躬「へヴン……」

女子高生A「ただー、あそこっていっつも人立ってるから入れないっぽいよ」

弩躬「そうか、うん。ありがとう」

女子高生B「じゃねー」

弩躬「ヘブンって名前の薬か……エデンと関係ないといいんだが……っと、今はそれじゃなくて聞き込みだ」




ー移動カフェー

店員「いらっしゃい、何にしますか?」

弩躬「アイスコーヒーブラックで」

店員「はーい、少々お待ちください」

弩躬「暑いよなぁ」

店員「そうですね。でも、おかげでそこそこ売れてますよ」

弩躬「ここ毎日来てるの?」

店員「ここらの一帯で回りながらやってますけど……」

弩躬「そうか、じゃあ、変なこと聞きたいんだけど……中国人の客ってくる?」

店員「いらっしゃいますよ。ほら、そこが亜細亜通りだし。」

弩躬「やっぱり買い物は出てくるんだ」

店員「そりゃ人間だものずーっとあそこに居る訳じゃないですよ」

弩躬「それで普通に売るの?」

店員「お客さんですから当然です……あの、もしかして警察の人かなにか?」

弩躬「あ、違う違う。ちょっと、あそこに居るっぽいんだけどさ……こわいおじさんが立ってるから通る方法ないかと思って聞いたんだ」

店員「あそこに入る方法かぁ……んー……これはいっていいことなのかな」

弩躬「なにか知ってるのか?」

店員「えーと……」

弩躬「大丈夫なにかあったとしてもアンタのせいだとかいったりしないし、本当に警察とかは関係ないから。」

店員「そういうことなら……教えるけど、お金さえ渡せば入れるっぽいよ。たまに、明らかに普通のじゃない感じの人がお金渡して通ってるから」

弩躬「金かぁ……古典的というか王道というか……」

店員「うちらとしてはお客さんとして普通に接するからみて見ぬふりしてる、ほら、今ってなんか中国人と日本人て喧嘩してるけど普通にいい人らだっているはしさ。少なくともウチに来てる人らは……」

弩躬「落ち着きなって、俺は本当に警察とかの人間じゃないから」

店員「あぁ、ただ警察もよっぽどのことでもないとあそこの中までは見にいかないだろ?……もし何かあったりしたら」

弩躬「はは、ご心配ありがと。ま、大丈夫だから気にしないでくれ。もし、帰りにまだ居たらもう一杯買わせてもらうよ。いい味してるし」

店員「あぁ、じゃあ気をつけてな」
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