ｰ和龍軒:出入口ｰ

千夜「ちょっと出てくる」

多恵「あんまり、夜遊びするんじゃないよ」

千夜「うっせーよ」

あずみ「いってらっしゃい」

千夜「……あぁ、あと頼む」

寅「ふんっ」

千夜「なんかいいてぇのか」

寅｢別にぃ｣

千夜「っうか、出たはいいが当てはあるのか?」

寅「蒼天塔から情報はもらってる。そのふざけた袋野郎もすでに何度か襲われてるっていっただろ」

千夜「ご託はいいから場所をいえ」

寅「潜伏してるのは池袋。これは確定、そして今までは西側だったが東に来てる」

千夜「それでも随分とアバウトだな」

寅「うっせーよ。それでもネタは掴んでるってんだろ」

千夜「それをいえってんだよ」

寅「あぁ?」

千夜「あ゛?」

ガララっ!

多恵「だーかーらー店の前であんあん唸ってんじゃないよ。野良犬かい」

千夜「チッ……ちょっと待ってろバイクとってくる。移動するぞ」

寅「あぁ……。」





ｰ池袋界隈ｰ

千夜「っで?」

寅「その袋野郎かどうかは分からねぇけど武器持ちで暴れてる奴がいるらしい。これがその写真だ」

千夜「木刀……いゃ、こりゃトンファーか?」

寅「やたら長いトンファー……こんな妙な武器持ってるのはよっぽど腕が立つからだろ」

千夜「……正面からの写真は無いのか?」

寅「なし」

千夜「でもコイツ頭になにも被ってないぞ」

寅「そりゃ……ずっと被ってる訳無いだろ」

千夜「……」

寅「気にいらなそうだな」

千夜「あぁ、裏付けなしにコイツと決めるのは迂闊だろ。世の中には勘違いで襲われる奴だっているんだからな」

寅「悠か」

千夜「そうだ」

京(猫耳)「お兄ちゃんがどうかしたのか?」

寅「?!」

千夜「!?」

京(猫耳)「?」

千夜「お前は…………いや、人違いだな。俺の知り合いに頭から妙なもんが生えてるのは触角女しかしらねぇ」

寅「言いたいことは分かるけどコレはアレだろ。悠の嫁だろ」

京(猫耳)「そうだぞ!」

石楠花「がーりゅーーーーちゃん!!」

京(猫耳)「うおっと……」
だきっ!ズザザザッ!!

千夜「……」

寅「……」

千夜「行くか」

寅「そうだな。関わるだけそんな気がする」

石楠花「おっと待ってぇ～。今、かつあげしょーとしてたの?がりゅーーちゃんに何かしてたなら殺すよぉ～?」

千夜「あ゛?」

寅「あぁ?」

石楠花「んんっ?」

京(猫耳)「待て、石楠花。その二人は己の友達だ。カツアゲ何かされてない」

石楠花「なぁんそっかー♪……チッ」

寅「あのチビ、舌打ちしたぞ今」

千夜「ていうか……俺等は友達だったか?」