ー新伝ー伝説を継ぐもの【3】
ー東武デパート・ギャラリー匠の刀展ー
梔「あらあら、まぁまぁ……ホンマにええ刀ばっかりどすなぁ」
神姫「日本刀に拘る伝統工芸の技を競うコンクール展等を行って作刀、研磨、外装の各分野から、上位入賞作を一堂に展示しているらしいですよ。スローガンは伝統技術の継承向上につとめることとか……。」
梔「立派な志やねぇ。」
神姫「志が立派でも盗まれてたら意味がないですよ。こんな目立つ事をしているのにどれだけ警備がザルなんだか」
初老の男「誠に申し訳ありません」
梔「まぁまぁ、詳しいお話し聞かせてもらえますやろか。」
初老の男「はい……小鳥遊様も知っての通り今回展示の目玉は中原鉄心が造った大太刀「飛英」と小太刀の「雄断」……。」
梔「二振りで一対の「飛英雄断」という飾が施された他に類を見ない現代刀……どすな。」
初老の男「はい。中原鉄心の造る刀は二本で一つの物が多く「天雨」と「水幕」や「葉流」と「星華」等も過去の展覧会で展示させていただきました。」
神姫「それで……その展示物の大半は最終的に博物館に届けられて、残りの数点が買い取られるのがいつもの流れでもあった。」
初老の男「はい……。」
神姫「っで、今回の「飛英」と「雄断」は梔さんが購入予約済みだったのにいざ調べてみたら本物と偽物がすり変わっていた……。ここまでで間違いは?」
初老の男「おっしゃる通りでございます」
梔「せやけど……よう入れ替えなんてできましたなぁ」
初老の男「本当に……我々素人はまだしも、プロの鑑定士の目も誤魔化すほど精巧な偽物だったのです……。」
神姫「すり替えの方法とかはどうでも良いけど、犯人に心当たりは?」
初老の男「それが……こんなものがとどきまして」
神姫「お手紙?」
【素晴らしき名刀いただいた。華麗なる怪盗:ソードコレクター】
神姫「……なんのおふざけ?」
ぎりぎり……
初老の男「お、落ち着いてください。私どももイタズラにしか思えなかったのですが奪った刀の写真まで同封されていて……お嬢さん!浮いてる、私、浮いてますから!!この人、みためより凄い力してるっ!!」
梔「なんや愉快な犯人やねぇ」
神姫「そうですか?私はイライラしてくるんですけど」
梔「あらホンマ?」
神姫「まぁ、それは置いといて……」
初老の男「で、できれば私も地に置いてください……生まれて数十年、吊り上げられるなんて初めての経験に戸惑っていますから!!」
神姫「いいから、質問に答えなさい。こんなふざけた手紙でも犯罪者からのものでしょ。なぜ梔さんに犯人を探させるわけ?警察はなにしてるのよ」
初老の男「そ、それにつきましては……」
梔「柏ちゃんがウチに探すように連絡が来たんやよね。」
初老の男「は、はい、その通りです。」
神姫「どうしてまたそんなことを」
初老の男「あの、降ろしていただけませんか……」
梔「この泥棒さん、どうやらこの手の犯行をよう繰り返し取るみたいでね。その中には宝刀級の品も混じっとるらしいんよ。っで…天表ざたにならん内にとり返して欲しいいうわけどす」
神姫「それでもなぜ、そんなことを梔さんが?」
梔「ただの泥棒さんやないってことやとやろね……。」
神姫「なるほど……けど、それって危険なことですよね。それだったら悠にでもやらせばいいんじゃないです?」
梔「ほら、悠ちゃんと柏ちゃんは仲がちょっとだけ悪いやろ?」
神姫「ちょっと……?」
梔「そんなわけでウチが動くことになったんどす。」
神姫「なるほど、でも、何か手掛かりはあるんですか?」
梔「柏ちゃんから随時連絡が入る手はずやから……それしだいやね。」
梔「あらあら、まぁまぁ……ホンマにええ刀ばっかりどすなぁ」
神姫「日本刀に拘る伝統工芸の技を競うコンクール展等を行って作刀、研磨、外装の各分野から、上位入賞作を一堂に展示しているらしいですよ。スローガンは伝統技術の継承向上につとめることとか……。」
梔「立派な志やねぇ。」
神姫「志が立派でも盗まれてたら意味がないですよ。こんな目立つ事をしているのにどれだけ警備がザルなんだか」
初老の男「誠に申し訳ありません」
梔「まぁまぁ、詳しいお話し聞かせてもらえますやろか。」
初老の男「はい……小鳥遊様も知っての通り今回展示の目玉は中原鉄心が造った大太刀「飛英」と小太刀の「雄断」……。」
梔「二振りで一対の「飛英雄断」という飾が施された他に類を見ない現代刀……どすな。」
初老の男「はい。中原鉄心の造る刀は二本で一つの物が多く「天雨」と「水幕」や「葉流」と「星華」等も過去の展覧会で展示させていただきました。」
神姫「それで……その展示物の大半は最終的に博物館に届けられて、残りの数点が買い取られるのがいつもの流れでもあった。」
初老の男「はい……。」
神姫「っで、今回の「飛英」と「雄断」は梔さんが購入予約済みだったのにいざ調べてみたら本物と偽物がすり変わっていた……。ここまでで間違いは?」
初老の男「おっしゃる通りでございます」
梔「せやけど……よう入れ替えなんてできましたなぁ」
初老の男「本当に……我々素人はまだしも、プロの鑑定士の目も誤魔化すほど精巧な偽物だったのです……。」
神姫「すり替えの方法とかはどうでも良いけど、犯人に心当たりは?」
初老の男「それが……こんなものがとどきまして」
神姫「お手紙?」
【素晴らしき名刀いただいた。華麗なる怪盗:ソードコレクター】
神姫「……なんのおふざけ?」
ぎりぎり……
初老の男「お、落ち着いてください。私どももイタズラにしか思えなかったのですが奪った刀の写真まで同封されていて……お嬢さん!浮いてる、私、浮いてますから!!この人、みためより凄い力してるっ!!」
梔「なんや愉快な犯人やねぇ」
神姫「そうですか?私はイライラしてくるんですけど」
梔「あらホンマ?」
神姫「まぁ、それは置いといて……」
初老の男「で、できれば私も地に置いてください……生まれて数十年、吊り上げられるなんて初めての経験に戸惑っていますから!!」
神姫「いいから、質問に答えなさい。こんなふざけた手紙でも犯罪者からのものでしょ。なぜ梔さんに犯人を探させるわけ?警察はなにしてるのよ」
初老の男「そ、それにつきましては……」
梔「柏ちゃんがウチに探すように連絡が来たんやよね。」
初老の男「は、はい、その通りです。」
神姫「どうしてまたそんなことを」
初老の男「あの、降ろしていただけませんか……」
梔「この泥棒さん、どうやらこの手の犯行をよう繰り返し取るみたいでね。その中には宝刀級の品も混じっとるらしいんよ。っで…天表ざたにならん内にとり返して欲しいいうわけどす」
神姫「それでもなぜ、そんなことを梔さんが?」
梔「ただの泥棒さんやないってことやとやろね……。」
神姫「なるほど……けど、それって危険なことですよね。それだったら悠にでもやらせばいいんじゃないです?」
梔「ほら、悠ちゃんと柏ちゃんは仲がちょっとだけ悪いやろ?」
神姫「ちょっと……?」
梔「そんなわけでウチが動くことになったんどす。」
神姫「なるほど、でも、何か手掛かりはあるんですか?」
梔「柏ちゃんから随時連絡が入る手はずやから……それしだいやね。」