ｰ池袋:闘路ｰ

紅「ほい、取り押さえた」

包帯男「くっそ!!てめぇ、卑怯だぞ!!」

窈「あ、うん。俺もそう思う。」

紅「まぁ、入りこんだ瞬間に取り押さえたしな。でも、ほら、警察とかもそういうことするじゃん」

包帯男「お前ら警察なのか?!」

紅「学生」

窈「プロデューサー」

包帯男「警察でもなんでもねーじゃねーか!!」

紅「警察なんていってないだろ」

窈「いってないな」

包帯男「……ちっ、俺をどうする気だ」

窈「いや、それこっちのセリフ。俺は小鳥遊悠じゃないって分かったのになんでまた着けて来た……まだ、俺を狙ってるんだろ」

包帯男「ちげぇよ。こっちはお前のせいでクビになったんだよ。」

紅「というと?」

包帯男「違うやつを襲ってどうする、そんな奴はいらないといわれてな。まったく、いい金稼ぎになってたのに」

窈「それはそれで間違ってるけどな」

紅「ふむふむ、じゃあなんで窈をつけた?」

包帯男「夜中まで着けまわして人気がなくなったら闇討ちして仕返しでもしてやろうかと思って」

窈「同じじゃねーか!!」

紅「なんかつまんないな。俺帰っていい?」

窈「こんなタイミングで?!」

紅「いや、予想以上にあっさり掴まったし。別にこのまま警察に放りこんだら凶器所持で始末つくだろうし」

包帯男「おいおい、そりゃ勘弁してくれよ。ちょっと窈を闇討ちしようとしただけだろ」

窈「ちょっとで済む話しじゃないよな」

紅「確かに些細なことか……」

窈「ささいじゃねーよ!既に実害出てるんだよ俺は!!」

包帯男「そもそも……お前が紛らわしい事いわなけりゃこんなことにならなかったんだぞ!小鳥遊悠さえ襲ってさえいれば!」

窈「こいつ無茶苦茶言いだしやがった……。」

紅「なるほど、情状酌量の余地はあるか」

窈「ねぇよ!情状っていうのは性格･年齢･経歴･境遇･犯罪の動機･犯罪後の態度･社会事情の推移など犯罪と関係ある一切の具体的事実の事だけどどの点をとってもあわれむべき点はないよ!!」

紅「うーん、イマイチ悠っぽくないよなやっぱり」

窈「ときどき素に戻って比較採点するのやめてくれないか?けっこう傷つくんだぞそれ」

紅「ははは」

包帯男「なぁ、もう逃がしてくれないか?」

窈「なんでお前は帰れるつもり満々なの?」

包帯男「じゃあ、分かったよ。もうこれからはお前と街で偶然ばったり会った時しか襲わない。これでいいだろ」

窈「上から目線の上……根本的に襲わないとは約束しないんだな」

包帯男「へっ」

窈「警察に突き出そう」

包帯男「それは勘弁してくれって……これでも妹のために頑張って働いてるんだから」

紅「へぇ、妹さんかいくつだ?」

包帯男「えーと……15いや17だったかな」

窈「あやふやじゃねーか。」

包帯男「照れ屋で隠すんだよなぁ。」

紅「本当にいるのか?」

包帯男「当たり前だ。世界、いや、宇宙一可愛い妹だぞ。存在しないわけがない。」

窈「なんか、今まで以上に危ない事いいだしたぞ」

紅「だな……。じゃあ、こうしよう、妹に連絡してみろよ。本当に仕送りしてるっていう事実が分かったら解放してやる」

包帯男「そりゃ無理だ。お小遣いが無くなったら連絡するから、それ以外の時は電話かけないでくれって言われてる。」

窈「お前、それ色々おかしいし間違ってるぞ……。」