ー新伝ー伝説を継ぐもの【3】

ー池袋界隈ー

炎銃「じゃあな。」

紅「うっす、おつかれ~……さぁて、どーしょっかな……おっ?」

窈「あっ。」

紅「よう、窈じゃん」

窈「それ……狙っていってる?」

紅「ん?」

窈「「よう、窈(よう)」ってさ……。」

紅「なにいってるんだ?」

窈「いや……別に」

紅「それより顔どした?女と揉めて引っ掻かれたか」

窈「どんな女と揉めたらこめかみから顎下まで抉られるんだよ」

紅「ゴロゴロいると思うぞ」

窈「……」

紅「アンタ仕事は?」

窈「休みだよ」

紅「ふーん、クビになったのか」

窈「わかった。喧嘩売ってるんだな」

紅「いや、別にそんなつもりはないけど売って欲しいのか……?」

窈「ふんっ、俺は今別の奴を追ってるんだお前の相手なんかしてる暇ない」

紅「そうか、じゃあいいや、俺もお前には興味ないし」

窈「なぁ、お前もそんなに俺のことが嫌いか」

紅「好きでも嫌いでも……別にどっちでもないな」

窈「……」

紅「そんなにあからさまに落ち込むなよ。なんか悪いことしたみたいだろ」

窈「ひとを傷つけといて悪いと思ってないのかよ……」

紅「んー……傷つくのは人間性があっていいことだって悠が言ってたぞ。」

窈「全然慰めにならないな、をぃ」

紅「それよりお前さ……」

窈「俺の方が歳上ってのも忘れてないか?なぁ?」

紅「いいら聞けよ」

窈「なんだ」

紅「誰かに狙われてたりする?」

窈「はっ?」

紅「お前の斜め後ろに居る奴、さっき見かけたんだけど……殺気出してるから」

窈「チラッ」

包帯男「……ニタァ」

窈「……」

紅「笑ってるってことは……知り合いか?」

窈「名前も誰なのかも知らないけど……アイツの顔を潰したのは俺だ。この傷もアイツにやられた。」

紅「ふーん、なんかめんどくさいことに関わってる系か?」

窈「関わってる……関わっちゃった系だな。原因は俺だし」

紅「また、悠のフリでもしたんだろ」

窈「……」

紅「ビンゴかよ」

窈「反省はしてる」

紅「……仕方ないな、手伝ってやろうか?」

窈「なに?」

紅「いいから、ついてこいよ。もし上手いことアイツがついてきたら人気のないところにおびき出せるだろ。んっで、絞めあげちまえばいい」

窈「なるほど……それはいい手だな」

紅「だろ、ほら、ついてこいよ。どうせ向こうだって気がついてんだから絶対に引っかかる。そーいうタイプだあの顔は」

窈「なんかセリフが悪役だな……。」
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