ー新伝ー伝説を継ぐもの

ー陵桜学園高等部図書室ー

白嶺「結局、小鳥遊先輩は見つからずね。」

伏見「学校中を歩き回ったのは久々だよ」

雫「それにしても…この人数で探して見つからないのもすごいよね」

釘夜「まったくだ…。というか、白嶺は何してたんだ?俺らはノリで探してたけど。」

白嶺「連絡したりしてたわ。」

釘夜「誰に?」

白嶺「顧客」

釘夜「小鳥遊先輩探してねぇじゃん?!」

白嶺「仕方ないわよ。こっちの事のが重要だもの。」

雫「キャリアウーマンだね!」

伏見「その発言はおかしいよ。」

釘夜「はぁ…」

白嶺「それで、結局どこにいるのかしら」

釘夜「いっそ校内放送で呼び出してもらうか」

独「多分無駄だぞ」

雫「わわっ!!でっかいひと!!」

独「え…今さらそこに驚く?」

伏見「彼女の発言はあまり気にとめなくていいよ」

雫「あれれ?」

釘夜「お前どこいってたんだ?」

独「え、探してたよ。小鳥遊先輩」

伏見「なんで無駄なんだい?」

独「靴箱見てきたけど帰ってるみたいだぞ。上履きだったし」

伏見「靴か……盲点だった。」

釘夜「なんで靴箱しってるんだ」

独「ほら、さっき三年の中山先輩に聞いた。」

白嶺「どうやら、あなた達に警察にいって証言してもらうしかなくなったみたいね。いいかしら?」

独「問題ない」

釘夜「少しは悩めよ…。お前警察とは相性悪いんだから」

雫「なんで?」

釘夜「コイツ、見た目こんなだから職質よくかけられるんだよ」

独「俺ん家って小学校の近くでさ。下校時刻なんか酷いんだよ……。困るよなあ」

伏見「なんで、そこは他人事」

釘夜「こういう奴なんだ」

白嶺「とにかく、んっ……電話。あ!社長……よかった。出所できたんですね。」

独「出所じゃ無くないか?」

雫「逮捕されたら出所じゃないの?」

白嶺「とにかく、良かったです…。どうやって出所したんです?」

伏見「たぶん、留置所だから出所ではないんだけどね」

白嶺「なら、私があちこち走り回ったのが無駄になりました…。」

釘夜「走り回ったの俺らだよな?」

伏見「いいじゃないか」

白嶺「いえ、それより社長がいなかったせいで、仕事が滞ってるんですよ。早く帰ってきてください。」

独「容赦ないな」

雫「キャリアウーマンだし」

伏見「それ、気にいったのかい?」

白嶺「でも、昨日の事件も元はといえば…社長が変な気まぐれで寄り道したからじゃないですか。だから、頼みましたよ。今日はちゃんと仕事おねがいしますよ!……という訳で、みんな騒がせたわね」

釘夜「まぁ、別にいいけどな」

白嶺「こんどジュースくらいおごるわ。じゃあ、私は会社に行くから。このことは秘密にしておいてね」

独「問題ない」

釘夜「もっと返事のボキャブラリー増やせよ…」

伏見「じゃ、解散しようか」

雫「たのしかったね!!またやろうね!!」

「「「……」」」
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