ー新伝ー伝説を継ぐもの【3】
ー窈の家の前ー
窈「ひとが気持ちよく寝てたら随分と外が賑やかだ。なんの騒ぎかと思ってみてみたら…………こんな所でまで暴れやがって、お前ら覚悟は出来てるんだろうな。今度は本気で警察に突き出してやるからな」
楓子「これは、窈殿。助けていただき感謝します……やよ。」
窈「いやいや、助けなんか不要そうだっけど……」
楓子「しいて言えば……その通りですが、ならばどうして?」
窈「そりゃまぁ……目のまえで女の子が襲われてたらどういう状況であれ助けに入るのが男だからな」
楓子「ふむ……俗にいう「ふぇみにすと」というやつですかやよ」
窈「……うーん、間違っちゃあいないけどそう冷静にいわれるとちょっとおれも反応に困るなぁ」
楓子「はて、なにか間違いでもありましたかやよ?」
包帯男「間違ってんのはテメェらの余裕だぁッ!!」
吹っ飛ばされて壁とキスしていた男が、地面を踏みしめた。その音にようやく気がついた二人に刃を向ける。
楓子「ふむ……タフですねやよ。」
窈「もう何度か倒したんだけど……追いかけてくるんだよ。」
楓子「……つまり、あのミイラの目的は窈殿ですか?」
窈「え、あー……うんまぁ~そうかな?」
楓子「はてさて……今の先ほど師匠を狙ったような発言していましたが……?」
窈「あはは……。」
包帯男「なにをごちゃごちゃいってる!」
楓子「いえ、とても大事なことなのでいくつか問いたいことがあるのですがやよ。アナタの狙いは師匠……小鳥遊悠ですかやよ?」
包帯男「そうだってんだろ。最初から!」
楓子「では……なぜ、窈殿を狙ってるのですかやよ」
窈「……」
包帯男「あん?誰だよそれ」
楓子は隣立つ男を指さした。
窈「……」
包帯男「小鳥遊「悠」だろ」
楓子「小鳥遊「窈」やよ」
窈「……小鳥遊「窈」です」
包帯男「……」
楓子「ちなみに師匠はこの時間大江戸学園の方へと向かわれているはずですやよ」
包帯男「……ど」
窈「ど?」
包帯男「どーいうことだぁっ!!お前小鳥遊悠っていっただろっ!!」
窈「いゃあ……はは、つい……」
楓子「……また、やらかしたんですかやよ?」
ジロリと横目に睨みあげられて窈は楓子から視線を逸らす。
包帯男「じゃ……じゃあ、俺の徒労はなんだったんだ……」
楓子「引っ掻きまわされた……というオチでしたねやよ。」
包帯男はがくりと肩を落とした。頭の上に「ガーン」という擬音が降って来そうな勢いの落胆模様だ。
窈「まぁでも……悪いことしてんのはそっちだしな。」
包帯男「うるせぇよ!」
手に持った三日月刀を投げつけた。さすがに不意な行動に予想できずにいたため二人の間を通り抜けて壁に刃は突き立った。
楓子「っ……」
窈「あぶっ……」
包帯男「くっそ……。おい、鷹!鷹丸!」
鷹丸「うわっはい?!」
包帯男「いくぞ。悠じゃないならこんなやつらに用は無い」
窈「待ちなよ。逃がすと思ってるか?」
鷹丸「ええ、逃げますよ。」
男は地面に何かを投げつけた。それと同時に白煙が舞いあがる。すぐ側でいるはずの人間が見えなくなるほど視界を覆い尽くし、煙が晴れる頃には楓子と窈を残して消え去っていた。
窈「っ……煙幕ってこんな効果あるもんなんだな」
楓子「こほこほ……とりあえず、窈殿。んっ。」
窈「……え、なにこの手?」
楓子「壁の修繕費を払ってくださいやよ。」
包帯男が投げていった三日月刀はしっかりと突き立ったままだった。しかも、それは窈家側の壁では無く、悠家側の壁だった。
窈「ひとが気持ちよく寝てたら随分と外が賑やかだ。なんの騒ぎかと思ってみてみたら…………こんな所でまで暴れやがって、お前ら覚悟は出来てるんだろうな。今度は本気で警察に突き出してやるからな」
楓子「これは、窈殿。助けていただき感謝します……やよ。」
窈「いやいや、助けなんか不要そうだっけど……」
楓子「しいて言えば……その通りですが、ならばどうして?」
窈「そりゃまぁ……目のまえで女の子が襲われてたらどういう状況であれ助けに入るのが男だからな」
楓子「ふむ……俗にいう「ふぇみにすと」というやつですかやよ」
窈「……うーん、間違っちゃあいないけどそう冷静にいわれるとちょっとおれも反応に困るなぁ」
楓子「はて、なにか間違いでもありましたかやよ?」
包帯男「間違ってんのはテメェらの余裕だぁッ!!」
吹っ飛ばされて壁とキスしていた男が、地面を踏みしめた。その音にようやく気がついた二人に刃を向ける。
楓子「ふむ……タフですねやよ。」
窈「もう何度か倒したんだけど……追いかけてくるんだよ。」
楓子「……つまり、あのミイラの目的は窈殿ですか?」
窈「え、あー……うんまぁ~そうかな?」
楓子「はてさて……今の先ほど師匠を狙ったような発言していましたが……?」
窈「あはは……。」
包帯男「なにをごちゃごちゃいってる!」
楓子「いえ、とても大事なことなのでいくつか問いたいことがあるのですがやよ。アナタの狙いは師匠……小鳥遊悠ですかやよ?」
包帯男「そうだってんだろ。最初から!」
楓子「では……なぜ、窈殿を狙ってるのですかやよ」
窈「……」
包帯男「あん?誰だよそれ」
楓子は隣立つ男を指さした。
窈「……」
包帯男「小鳥遊「悠」だろ」
楓子「小鳥遊「窈」やよ」
窈「……小鳥遊「窈」です」
包帯男「……」
楓子「ちなみに師匠はこの時間大江戸学園の方へと向かわれているはずですやよ」
包帯男「……ど」
窈「ど?」
包帯男「どーいうことだぁっ!!お前小鳥遊悠っていっただろっ!!」
窈「いゃあ……はは、つい……」
楓子「……また、やらかしたんですかやよ?」
ジロリと横目に睨みあげられて窈は楓子から視線を逸らす。
包帯男「じゃ……じゃあ、俺の徒労はなんだったんだ……」
楓子「引っ掻きまわされた……というオチでしたねやよ。」
包帯男はがくりと肩を落とした。頭の上に「ガーン」という擬音が降って来そうな勢いの落胆模様だ。
窈「まぁでも……悪いことしてんのはそっちだしな。」
包帯男「うるせぇよ!」
手に持った三日月刀を投げつけた。さすがに不意な行動に予想できずにいたため二人の間を通り抜けて壁に刃は突き立った。
楓子「っ……」
窈「あぶっ……」
包帯男「くっそ……。おい、鷹!鷹丸!」
鷹丸「うわっはい?!」
包帯男「いくぞ。悠じゃないならこんなやつらに用は無い」
窈「待ちなよ。逃がすと思ってるか?」
鷹丸「ええ、逃げますよ。」
男は地面に何かを投げつけた。それと同時に白煙が舞いあがる。すぐ側でいるはずの人間が見えなくなるほど視界を覆い尽くし、煙が晴れる頃には楓子と窈を残して消え去っていた。
窈「っ……煙幕ってこんな効果あるもんなんだな」
楓子「こほこほ……とりあえず、窈殿。んっ。」
窈「……え、なにこの手?」
楓子「壁の修繕費を払ってくださいやよ。」
包帯男が投げていった三日月刀はしっかりと突き立ったままだった。しかも、それは窈家側の壁では無く、悠家側の壁だった。