ー新伝ー伝説を継ぐもの【3】

ー窈の家ー

窈「いっっ……。」

駒裡「あ、こんにち……ど、どうしたんですか?」

窈「やあ、こんにちは、雷果ちゃん。ちょっと擦りむいちゃってね。」

駒裡「ちょ、ちょっと待ってくださいね。」
ズルル……かちゃかちゃ。

窈「うぉっ……!」

駒裡「どうぞ、簡易医療キットです。止血剤とか消毒液とかまとまってるので使ってください。」

窈「あ、あぁ、ありがとう。今のなに?数珠つなぎにざらざら~って伸びてたけど」

駒裡「え?医療キットジョイントですけど」

窈「……どこにしまってあるの?」

駒裡「スカートの裏とか袖の部分とかです」

窈「暗器使いみたいだな……。まぁいいや、ありがと」

駒裡「どういたしまして」

窈「さぁて……ちょっと寝ないと充電がきれだ。」

がちゃ……パタン!

「……ここか、報告だ。」






ー池袋界隈ー

包帯男「奴の家を突きとめて来たか?」

「はい、しっかりと見ました……けど、大丈夫ですか?」

包帯男「鼻の骨が折れて口の中切れたが問題ない。これも金の為だ。」

「はぁ……けど、もう報告して終わった方が良くないですか?無理に続けなくても……。」

包帯男「腕か足の骨一本でボーナスが入るんだ。やるさ」

「はぁ……治療費と武器代でマイナスしてませんか」

包帯男「ふっ、問題ない。稼ぎは全部、妹に送金してる俺は妹の為なら命をかけれる。」

「目的がそれでなかったらマシなのになぁ……。」

包帯男「もちろんそれだけじゃないぞ」

「はい?」

包帯男「さすがにここまでやられたら俺も腹の虫がおさまらない」

「ほとんど私怨っすね……。」

包帯男「それに、俺は刀が一番の得意武器だ」

「最初はトンファーっていってたような……それよか、今さら何ですけど小鳥遊って妹さんと関係ある人間じゃなかったでした?」

包帯男「……小鳥遊悠とは関係ないから良し」

「そうですか……。けど、タイムリミットもありますからね。俺もいつまでも大江戸学園から出てる訳にもいかないし」

包帯男「そうなのか?」

「そうですよ……。それに松永お嬢様は気分屋で恐ろしい方だからあんまり間をおいて報告に行きたくないんですよ」

包帯男「そういうけど、お前が名前ゲロったのは俺のせいじゃないからな」

「……あんな追い詰められたら誰だっていっちまうでしょ」

包帯男「そこは根性見せろよな、お前がもっと時間稼いでたらあのまま潰せてたのに」

「先に潰された人が良くいいますよ」

包帯男「なんかいったか?」

「いいえ、なんにも」

包帯男「まぁいい、得物を受け取りに行くぞ」

「また、あの女のところか?」

包帯男「あそこが一番いい。欲しいものを何でも用意してくれるからな」

「話してると頭痛くなるんですけどね……あの女。」

包帯男「こつちの話は聞こえてるんだ。あとは適当に相槌うっといたら良いんだよ」
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