ー新伝ー伝説を継ぐもの【3】
ー美術館:入口(深夜)ー
ガシャ、ガシャ……
ガシャ、ガシャ……
「……っ、なんで、なんで開かないのっ!」
紅「もう閉店してるからだぞ」
「!?」
弩躬「やぁ、久しぶりだな。まだ、名前は聞いてなかったけど……傷の調子はどうだ?」
包帯の少女「あなた達……なにしてるの?」
紅「吸血鬼探し……いや、ここからは探偵どのにお任せするか」
悠「名探偵なんて照れるじゃないか」
弩躬「いってねーよ」
悠「っと、冗談はおいといて……瀬川香(せがわかおり)さんだよな?」
香「はい……そうですけど。」
悠「初めまして、いやぁ、我が校の有名人にお会いできて光栄です。あ、申し遅れました、三年の小鳥遊悠です。よろしく」
香「よ、よろしく……。」
差し出された悠の手を香は握った。
悠「おやや?」
香「な、なんですか?」
悠「汗かいてますね」
香「アナタもでしょ……。」
悠「コイツは失礼。」
弩躬「ところで……こんな時間にこんなところでなにを?閉館時間は過ぎてるけど」
香「……別に、ただ近くまで来たんでちょっと寄ってみただけです」
紅「関係ない話しなんだけどな……ここの警備っていうか管理がザルでさぁ。いっつもここの鍵はかけてなかったそうだ。現に本来なら今夜もかかって無かった」
香「なにがいいたいんですか?」
悠「単刀直入にもう人を襲うのはやめろってこと吸血鬼さん」
香「……なんの話しですか?私は襲われた側ですよ?」
悠「おれはどうしても引っかかってたことがあったんだ。君が襲われたときの状況……他の人らが後ろから路上で襲われてるのに、君だけはに違った」
香「そんなこと知りませんよ!!」
悠「それは君が嘘をついてるからじゃないのか?吸血鬼なんて本当は存在しない。全部君がやったことと自演だ。」
香「バカバカしい!!どうして私が人を襲って血なんか集めるんですか!っていうか、そもそもそれだったらなんで自分が貧血になるんですか。」
悠「嘘には三種類ある。「自分を守る嘘」「他人をあざむく嘘」「人をかばう嘘」……最後のチャンスだ。認める気はないんだな?」
香「証拠も無いくせに……帰ります」
悠「……弩躬」
弩躬「おう。」
名前を呼ばれて弩躬は廊下を照らす電気のスイッチを切った。薄闇に包まれるなかで緑色に光る香の手。
香「な……にこれ」
悠「ルミノール反応……血液に反応する薬だ。さっきおれと握手した時におまえの手に着けた。」
紅「ついでにコレ」
香「!?」
紅が手にしていたのは香の描いた絵だ。その絵のあらゆるところが香の手と同じように淡く光っていた。
悠「お前が来る前に確かめさせてもらったよ。」
香「……」
悠「おれはさ……警察じゃないだからこれ以上の事は何もしないけど……これからどうするかは自分で決めろ。ただし、また吸血鬼が出たその時は……わかってるな。」
香「……ふっ、ふふ……全部終わりね。」
言い終わる前に香はいつの間にか握っていたカッターの刃で自分の首を掻っ切った。止める間もなく鮮血が吹き出した……。
ガシャ、ガシャ……
ガシャ、ガシャ……
「……っ、なんで、なんで開かないのっ!」
紅「もう閉店してるからだぞ」
「!?」
弩躬「やぁ、久しぶりだな。まだ、名前は聞いてなかったけど……傷の調子はどうだ?」
包帯の少女「あなた達……なにしてるの?」
紅「吸血鬼探し……いや、ここからは探偵どのにお任せするか」
悠「名探偵なんて照れるじゃないか」
弩躬「いってねーよ」
悠「っと、冗談はおいといて……瀬川香(せがわかおり)さんだよな?」
香「はい……そうですけど。」
悠「初めまして、いやぁ、我が校の有名人にお会いできて光栄です。あ、申し遅れました、三年の小鳥遊悠です。よろしく」
香「よ、よろしく……。」
差し出された悠の手を香は握った。
悠「おやや?」
香「な、なんですか?」
悠「汗かいてますね」
香「アナタもでしょ……。」
悠「コイツは失礼。」
弩躬「ところで……こんな時間にこんなところでなにを?閉館時間は過ぎてるけど」
香「……別に、ただ近くまで来たんでちょっと寄ってみただけです」
紅「関係ない話しなんだけどな……ここの警備っていうか管理がザルでさぁ。いっつもここの鍵はかけてなかったそうだ。現に本来なら今夜もかかって無かった」
香「なにがいいたいんですか?」
悠「単刀直入にもう人を襲うのはやめろってこと吸血鬼さん」
香「……なんの話しですか?私は襲われた側ですよ?」
悠「おれはどうしても引っかかってたことがあったんだ。君が襲われたときの状況……他の人らが後ろから路上で襲われてるのに、君だけはに違った」
香「そんなこと知りませんよ!!」
悠「それは君が嘘をついてるからじゃないのか?吸血鬼なんて本当は存在しない。全部君がやったことと自演だ。」
香「バカバカしい!!どうして私が人を襲って血なんか集めるんですか!っていうか、そもそもそれだったらなんで自分が貧血になるんですか。」
悠「嘘には三種類ある。「自分を守る嘘」「他人をあざむく嘘」「人をかばう嘘」……最後のチャンスだ。認める気はないんだな?」
香「証拠も無いくせに……帰ります」
悠「……弩躬」
弩躬「おう。」
名前を呼ばれて弩躬は廊下を照らす電気のスイッチを切った。薄闇に包まれるなかで緑色に光る香の手。
香「な……にこれ」
悠「ルミノール反応……血液に反応する薬だ。さっきおれと握手した時におまえの手に着けた。」
紅「ついでにコレ」
香「!?」
紅が手にしていたのは香の描いた絵だ。その絵のあらゆるところが香の手と同じように淡く光っていた。
悠「お前が来る前に確かめさせてもらったよ。」
香「……」
悠「おれはさ……警察じゃないだからこれ以上の事は何もしないけど……これからどうするかは自分で決めろ。ただし、また吸血鬼が出たその時は……わかってるな。」
香「……ふっ、ふふ……全部終わりね。」
言い終わる前に香はいつの間にか握っていたカッターの刃で自分の首を掻っ切った。止める間もなく鮮血が吹き出した……。