ｰとある事務所ｰ

窈「ちょっと待てよ」

紅「ん?」

窈「これからどうするんだ?」

紅「とりあえず聞きこみがてらボウリングでも行こうかと思ってる」

窈「遊ぶ気満々か」

紅「聞き込みだよ」

窈「悠はどしたの?こーゆーとき、っていうか、トラブルは悠が専門だろ」

紅「そんな切り札を最初から使おうと考えてるからコピーとかいわれるんだぞ」

窈「だれが劣化コピーだっ!」

紅「劣化とはいってないだろ……大声出すなよ」

窈「お前は的確に俺の怒りのツボつくよな」

紅「なんか、スマン。本当に気にしてたんだな」

弩躬「なになにどした?つか、見てくれサインいっぱいもらったよ」

紅「良かったな」

窈「はあぁぁ……」

紅「ちなみになんの事も知らないのか?」

窈「ウチは新聞屋じゃないんだぞ。そんな情報が転がってる訳無いだろ」

紅「新聞屋……あっ、そっか。雑誌記者はなし聞いてみるか」

弩躬「当てがあるのか?」

紅「ないことも無い。っていうか、どっちにしても悠に連絡つけないとダメだな」

弩躬｢難しいな。｣

紅「探してないときはすぐに見つかるけど、探そうとすると吸血鬼並みに見つかりそうにないぞ」

窈「しかも今は春休み……家には居ないだろうな」

紅「よし、悠にときおり電話しつつボウリング行くか」

弩躬「そだな」

窈「あれ、さっきそんな切り札はなんとかっていってなかったか?」

紅「いしゅみんってボウリング得意か?」

弩躬「普通かな、ダーツのが得意だ。」

紅「それは……そうだろ。」

窈「おい、無視すんな!」

紅「あぁ、邪魔したな帰るよ」

窈「あぁ、ちょっと待てって。こつちも質問があるんだ」

弩躬「なに?」

窈「黒澤って男知ってるか?」

紅「映画監督か?」

窈「いや、今結構話題になってるインディーズバンドのボーカル。そっち方面に詳しくないか?」

紅「俺は全然。いしゅみんは?」

弩躬「有名どころなら知ってるけどインディースはあんまり知らないな」

窈「そうか……。」

紅「なに吸血鬼騒ぎと関係あるのか?」

窈「あ、いや、それは全然。ただ、プロも確実っていわれてたその男が最近姿をくらませたらしいんだ。池袋在住の人間だから、紅ならなにか知ってるかなと思っただけ」

紅「姿が消えたんならもう居ないかもな……。それこそ人探しなら悠の出番だろ」

窈「ん……でも、本気で探してるってわけでもないし。そういう話しがみみに入っただけ。それより、本当に吸血鬼がいそうならまた話し聞かせてくれ。」