ー新伝ー伝説を継ぐもの【2】

ー電車内ー

揚羽「ぶー、遊びたんなーい!」

弩躬「ゲーセン、ゲーセン、カラオケ、ゲーセン、服屋、コスメブティックの梯子……十分遊んだでしょ」

紅「お前、俺誘ったの荷物持ちにするのに巻き込みやがったな」

弩躬「……イグザクトリー。」

揚羽「私の大事な荷物なんだから丁重に扱いなさいよ」

紅「投げ捨てていいか?」

弩躬「ゴミの不法投棄はダメだって」

揚羽「ゴミじゃねー!!」

弩躬「はいはい、大人しく座って静かにしててくださいよ。他の方々に迷惑になりますから」

揚羽「ふんっ。あ、友達からメール来た。」

紅「友達……居たのか」

揚羽「いるよっ!私のフォロワーなめんなよ」

紅「ツィッターとかしてないから知らん」

揚羽「ふんっ」

弩躬「あ、テル番とアド交換しょーぜ」

紅「いいけど、やってくれ。俺はこーゆーの苦手だ」

弩躬「はいはいっと、はいできた。」

紅「おう。それにしても小金もってる女の買い物は半端ないな」

弩躬「女の子ってこんな感じなんでないの?」

紅「そうなのかな、俺姉気が居るけど…………あれ、どんな買い物してたっけな」

弩躬「そっから分かってないのか」

紅「うーむ、分からん。プライベートに関わらない家庭だし」

弩躬「家族構成は?」

紅「親父、オフクロ、姉貴1、姉貴2、俺」

弩躬「へぇ、今時珍しい大家族だな」

紅「そっかな。お前は?」

弩躬「俺はセンセとこで暮らしてる。母さんも父さんも生きてるけど離れて暮らしてる。」

紅「普通だな」

弩躬「ま、そりゃそうさ」

揚羽「……」

紅「そういやぁさ……」

揚羽「なんで私には聞かないっ!」

紅「え、いや、興……」

揚羽「興味ないとかいわないわよね」

紅「興味ないし」

揚羽「この野郎っ!!」

弩躬「父母健在で一人娘」

紅「普通だ」

揚羽「普通言うなッ!あとなんで勝手にいった!」

弩躬「いった方が良いかと思って」

揚羽「あーもーっ!アンタらなんなんよ!!」

紅「関西方面の生まれなのか?」

揚羽「あ……」

弩躬「別に方言でしゃべってもいいじゃないすか。なんにもおかしくないですよ?」

揚羽「うっさい!」

弩躬「難しい年頃だな」

紅「癇癪持ちなんじゃね?」

揚羽「アンタらの態度には誰でも怒るわよ!!」

弩躬「あ、着きますよ」

紅「俺、最後まで付き合わなきゃダメか?」

弩躬「もう少しだから頼むよ」

紅「はぁー……俺もひとが良くなったもんだ」
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