ー新伝ー伝説を継ぐもの【2】

ーとある事務所ー

窈「はぁ……取材ですか?」

『はい、雑誌の取材です。良かったら少しお話を聞かせていただきたくて、ご連絡させていただきました。』

窈「失礼ですが、どちらの記者さんで?」

『「ストリートビート」通称「ストビー」。主にストリートファッションを中心とした雑誌です』

窈「ストリートファッション……(うちの娘らでそれ系のを愛用する子なんていたかな。おしゃれ担当なら美希だけど)」

『もしもし?』

窈「あ、すみません。ちなみに誰の取材をご希望ですか?」

『小鳥遊窈さんです』

窈「あぁ俺ですか…………俺えっ?!」

『あぁ、アナタが小鳥遊窈さんでしたか。自己紹介が遅れました。自分は森下社といいます』

窈「森下社さん……しかし、なぜ俺……いえ、私を?」

社『こういってしまうと失礼になるかも知れないのですが、私は小鳥遊悠くんと少し知り合いでして、アナタの話しも耳にしています。是非詳しいお話を聞かせてもらいたいと思いまして。』

窈「悠と……ふむ。」

社『どうでしょうか、よろしかったら、まずは取材抜きで食事でもしませんか?もちろん予定が空いていればですが』

窈「……わかりました。そういうことでしたら一度お会いしましょう。」

社『よかった。では、私の連絡先をいいますね。電話番号は……』

窈「はい、はいはい……はい、わかりました。」

社『それでは失礼します。ありがとうございました。』

窈「……ふぅ」

熊彦「仕事の電話か?」

窈「微妙。仕事に繋がるのか私用になるのやら……。」

熊彦「あぁー?なんだそりゃあ」

窈「いや、それより。ストビーって知ってるか?」

熊彦「月刊誌だろ」

窈「知ってるんだ」

熊彦「たまに立ち読みしてるよ」

窈「今あるか?」

熊彦「コンビニでもいけばあるだろう」

窈「ちよっと買ってきてくれ」

熊彦「俺はパシリじゃねーぞ」

窈「これはパシらせてるんじゃなく、お願いだよ」

熊彦「結局はパシらせてるんだろ」

窈「あはは。」

熊彦「笑ってごまかすなよ……。いってきたらいいんだろ。行ってきたら」

窈「お前のそういう従順なところは実に評価対象だ」

熊彦「俺のなかでお前の株はガタガタに落ちてってるけどな」

窈「そのうちどっかで巻き返すからいいよ」

熊彦「巻き返す気あったのか……いや、それ以前に巻き返せると思ってるのか」

窈「いいからとっとと行ってきてくれ。」

熊彦「……そろそろ俺も怒るぞ」

窈「わかったよ。ついでに好きな物買ってきていいから」

熊彦「ガキの使いか!!」
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