ー新伝ー伝説を継ぐもの【2】
ー蒼天塔:武闘場ー
『アンビリバボーッ!!なぁあぁぁんてことだ。熊とタイマンを張って勝ったのは虎狗琥崇だあああぁぁぁっ!!間違いなし、文句なしの、無敗の王者は存在したっ!!今回のマッチメイクはこれにて終了!!!さぁ、キングに惜しみない拍手で送りだせぇええええ!!』
割れんばかりの拍手を全身に受けてタカシは初めと変わらぬ表情で血まみれのリングを後にした。その背中が見えなくなるのを確認し、拳二は立ちあがった。
拳二「かっかっか。こいつはヤベェぜ。」
氷室「確かに、ヤバいですね。素手で熊を殴り殺しましたよ」
拳二「そうじゃねぇよ。ちゃちい賭け金が莫大な金に化けちまったぜ。ちーと、受け取ってくるぁあ。まーたあとでな。」
氷室「元気な方だ。さて、私は崇の様子でも見て来ましょうか。」
ー蒼天塔:控室ー
ガチャ…!
崇「……」
「「「ぅお疲れ様ですっ!!!」」」
崇「ああ、軽い運動だ」
清明「しかし、さんざんでしたね。大丈夫ですか、すぐに医者来るんで座っててください。」
崇「医者はいい。本郷に連絡をしろ。」
清明「はっ。ってことだ、走」
走「了解ですっ!!読んできまっす!!」
崇「ふぅ……喰らったのはひさびさだ。運動不足だな」
窈「喰らったのはって……喰われてたよな?」
崇「獣と闘ったのは初めてだったが……なかなか、興味深かった。」
だらっ……
匠「って、ヤバいっすよ。血出てますって!麒麟児タオルだ!タオルありったけもった来い!」
麒麟児「ガッテン!」
崇「ふぅ……清明、手を貸せ。上着を脱ぐ」
清明「あ、はい。失礼します」
ズルル……
崇「窈、冷蔵庫からアルコール度数の一番高い酒を寄越せ」
窈「酒か?今飲むのはやめといた方が……」
崇「マヌケ、消毒に使う。熊の爪や歯にどれだけ雑菌がついてると思う。黙ってさっさと寄越せ」
窈「お、おう、スマン。これでいいか。」
匠「先に水で傷口を洗っときましょう」
崇「お前はなかなか使えそうだな」
匠「いや、はは……えと、傷口抑えていいですか?」
崇「ああ、肩のほうを頼む。腹は自分でやれる」
氷室「生きてますか?」
崇「あぁ、問題ない」
氷室「熊を一頭殴り殺して問題なくは無いと思いますが。元気なら結構です」
崇「拳二はどうした?」
氷室「賭け金を受け取りにいってます。」
崇「取り分の割り振りを考えてもらわないとな」
氷室「今回ばかりは素直に認めますよ。」
崇「ふぅ……。よし、もういい。」
匠「立ちあがってどうするんです?」
崇「帰る。」
「「「えぇ?!」」」
麒麟児「治療しないのか?」
崇「血は止まった、ここで診てもらうより良い医者に当てがある。氷室、あとのことは任せた。」
氷室「分かりました」
『アンビリバボーッ!!なぁあぁぁんてことだ。熊とタイマンを張って勝ったのは虎狗琥崇だあああぁぁぁっ!!間違いなし、文句なしの、無敗の王者は存在したっ!!今回のマッチメイクはこれにて終了!!!さぁ、キングに惜しみない拍手で送りだせぇええええ!!』
割れんばかりの拍手を全身に受けてタカシは初めと変わらぬ表情で血まみれのリングを後にした。その背中が見えなくなるのを確認し、拳二は立ちあがった。
拳二「かっかっか。こいつはヤベェぜ。」
氷室「確かに、ヤバいですね。素手で熊を殴り殺しましたよ」
拳二「そうじゃねぇよ。ちゃちい賭け金が莫大な金に化けちまったぜ。ちーと、受け取ってくるぁあ。まーたあとでな。」
氷室「元気な方だ。さて、私は崇の様子でも見て来ましょうか。」
ー蒼天塔:控室ー
ガチャ…!
崇「……」
「「「ぅお疲れ様ですっ!!!」」」
崇「ああ、軽い運動だ」
清明「しかし、さんざんでしたね。大丈夫ですか、すぐに医者来るんで座っててください。」
崇「医者はいい。本郷に連絡をしろ。」
清明「はっ。ってことだ、走」
走「了解ですっ!!読んできまっす!!」
崇「ふぅ……喰らったのはひさびさだ。運動不足だな」
窈「喰らったのはって……喰われてたよな?」
崇「獣と闘ったのは初めてだったが……なかなか、興味深かった。」
だらっ……
匠「って、ヤバいっすよ。血出てますって!麒麟児タオルだ!タオルありったけもった来い!」
麒麟児「ガッテン!」
崇「ふぅ……清明、手を貸せ。上着を脱ぐ」
清明「あ、はい。失礼します」
ズルル……
崇「窈、冷蔵庫からアルコール度数の一番高い酒を寄越せ」
窈「酒か?今飲むのはやめといた方が……」
崇「マヌケ、消毒に使う。熊の爪や歯にどれだけ雑菌がついてると思う。黙ってさっさと寄越せ」
窈「お、おう、スマン。これでいいか。」
匠「先に水で傷口を洗っときましょう」
崇「お前はなかなか使えそうだな」
匠「いや、はは……えと、傷口抑えていいですか?」
崇「ああ、肩のほうを頼む。腹は自分でやれる」
氷室「生きてますか?」
崇「あぁ、問題ない」
氷室「熊を一頭殴り殺して問題なくは無いと思いますが。元気なら結構です」
崇「拳二はどうした?」
氷室「賭け金を受け取りにいってます。」
崇「取り分の割り振りを考えてもらわないとな」
氷室「今回ばかりは素直に認めますよ。」
崇「ふぅ……。よし、もういい。」
匠「立ちあがってどうするんです?」
崇「帰る。」
「「「えぇ?!」」」
麒麟児「治療しないのか?」
崇「血は止まった、ここで診てもらうより良い医者に当てがある。氷室、あとのことは任せた。」
氷室「分かりました」