ー新伝ー伝説を継ぐもの【2】
ー蒼天塔:武闘場ー
窈「おいコラ、待てよ。ルール違反は相手だろうがっ。意義があるなら俺じゃなく、そこで潰れてる奴だろ」
匠「そうだ。誰がどう見ても向こうが悪いだろ。」
そう訴える二人に観客席はざわめく。内容は……ルール違反だという罵声だった。誰がどう聞いても窈と匠の意見は正論。だが、それは……チームAAAの勝利を望んでいる者がいる場合だ。今この場では極々一部の人間しか彼らの勝利を望んでいない。
拳二「なんだぁ……雲行きが悪くなってきてんな。」
氷室「そのようですね。瓦谷さんの方でなんとか出来ませんか?」
拳二「無理だな。俺はいち観客だ。此処にいる奴らを黙らせられる発言力はねぇ」
氷室「チームの代表者としては?」
拳二「そんなもん偽名の架空人物でっち上げに決まってんだろ。資金援助って形で、あとは知らぬ顔で賭けてるだけだ」
氷室「ちなるほど、では……失格になると」
拳二「返金なんかあるわきゃねぇな……。おいおい、文無しなんて笑えねぇぞ」
氷室「ですね……。どうします?」
拳二「くっそ!!こんなことなら悠を巻き込んでおくんだった。こういう場合こそアイツの舌先八寸」
氷室「正しくは舌先三寸ですけどね。」
拳二「冷静に訂正してんじゃねぇよ!!ってか、崇は!崇はどこだ!」
氷室「さぁ……さっきまでは私たちと対角線上の席でいましたが……今は見えませんね。」
拳二「なんでじゃー!!」
氷室「一番最悪なパターンだと……」
拳二「だと?」
氷室「涅槃くんを連れて帰ってしまった」
拳二「なっ……!?」
氷室「まぁ、一番最悪のパターンですよ。ですが、瓦谷さんもしっての通り……彼は不敗神話持ち主というかただの負けず嫌いですから……。」
そのとき……液体窒素でもぶちまけたような冷やかな声が会場を包んだ。
崇『全員黙れ』
氷室「どうやら、珍しく表だに動くみたいですよ」
拳二「おいおい……これも最悪のパターンの一つじゃねぇか?」
マイク越しにクールな声は続ける。
崇『今更ルール違反だのなんだの五月蠅いんだよ。だったら俺が残り全員の相手してやる。文句があるなら俺に賭けるか、連合軍に賭けるかの二択だ』
氷室「これはまた……大きく出ましたね」
拳二「かっかっか。だが、いい。良い手だこうすりゃあ、意地でも今の賭けを続けるだろ」
氷室「だといいのですが」
崇とはまた別の冷たい声がマイク越しに響いた。
『少し待ちたまえ。君の一存でことを進めるわけにはいかない。これより審議する。皆、その場を動かないでもらいたい』
拳二「なにもんだ?」
氷室「さぁ……姿も見えないということはとてもお偉い方なのでしょう」
拳二「……まぁいい。しばらく成り行きをみよう。」
氷室「ですね。というか……私は少し消えます」
拳二「おいおい、変なことするなよ。動くなっていってやがるんだから」
氷室「もちろんです」
窈「おいコラ、待てよ。ルール違反は相手だろうがっ。意義があるなら俺じゃなく、そこで潰れてる奴だろ」
匠「そうだ。誰がどう見ても向こうが悪いだろ。」
そう訴える二人に観客席はざわめく。内容は……ルール違反だという罵声だった。誰がどう聞いても窈と匠の意見は正論。だが、それは……チームAAAの勝利を望んでいる者がいる場合だ。今この場では極々一部の人間しか彼らの勝利を望んでいない。
拳二「なんだぁ……雲行きが悪くなってきてんな。」
氷室「そのようですね。瓦谷さんの方でなんとか出来ませんか?」
拳二「無理だな。俺はいち観客だ。此処にいる奴らを黙らせられる発言力はねぇ」
氷室「チームの代表者としては?」
拳二「そんなもん偽名の架空人物でっち上げに決まってんだろ。資金援助って形で、あとは知らぬ顔で賭けてるだけだ」
氷室「ちなるほど、では……失格になると」
拳二「返金なんかあるわきゃねぇな……。おいおい、文無しなんて笑えねぇぞ」
氷室「ですね……。どうします?」
拳二「くっそ!!こんなことなら悠を巻き込んでおくんだった。こういう場合こそアイツの舌先八寸」
氷室「正しくは舌先三寸ですけどね。」
拳二「冷静に訂正してんじゃねぇよ!!ってか、崇は!崇はどこだ!」
氷室「さぁ……さっきまでは私たちと対角線上の席でいましたが……今は見えませんね。」
拳二「なんでじゃー!!」
氷室「一番最悪なパターンだと……」
拳二「だと?」
氷室「涅槃くんを連れて帰ってしまった」
拳二「なっ……!?」
氷室「まぁ、一番最悪のパターンですよ。ですが、瓦谷さんもしっての通り……彼は不敗神話持ち主というかただの負けず嫌いですから……。」
そのとき……液体窒素でもぶちまけたような冷やかな声が会場を包んだ。
崇『全員黙れ』
氷室「どうやら、珍しく表だに動くみたいですよ」
拳二「おいおい……これも最悪のパターンの一つじゃねぇか?」
マイク越しにクールな声は続ける。
崇『今更ルール違反だのなんだの五月蠅いんだよ。だったら俺が残り全員の相手してやる。文句があるなら俺に賭けるか、連合軍に賭けるかの二択だ』
氷室「これはまた……大きく出ましたね」
拳二「かっかっか。だが、いい。良い手だこうすりゃあ、意地でも今の賭けを続けるだろ」
氷室「だといいのですが」
崇とはまた別の冷たい声がマイク越しに響いた。
『少し待ちたまえ。君の一存でことを進めるわけにはいかない。これより審議する。皆、その場を動かないでもらいたい』
拳二「なにもんだ?」
氷室「さぁ……姿も見えないということはとてもお偉い方なのでしょう」
拳二「……まぁいい。しばらく成り行きをみよう。」
氷室「ですね。というか……私は少し消えます」
拳二「おいおい、変なことするなよ。動くなっていってやがるんだから」
氷室「もちろんです」