ー新伝ー伝説を継ぐもの【2】
ー蒼天塔:武闘場ー
『こ、コイツは、アンビリバヴォー……意外、予想外、奇想天外っ!!!秒殺の請負人が秒殺されちまうたぁ笑えねぇ。それにしてもなんてやつだ清明、涼しい顔してとんでもねぇことやりやがるぜ!今日から秒殺の称号はお前のもんだぁぁ!!』
早口でまくしたてるようにアナウンサーは叫ぶ。会場はそれに釣られるようにヒートアップした。さっきまでのブーイングが一転だ。清明!清明!清明!と清明コールに溢れかえっていた。
「べたべたする……。なぁ、控室戻ってシャワー浴びたいんだけど」
まったく意に返さず返り血でまみれた男は選手入場口を塞いでいる黒服の男達にそういっていた。
「試合終了まではこちらにいていただくのがルールなので……」
「逃げやしないって。」
「そういうわけには……」
「こんな血まみれでいろっていうのか?」
第一試合からこんな血みどろで帰還する結果になるとは予想していなかったのは誰も同じだった。黒服のひとりが懐から携帯を抜いた。
「しばし、お待ちください。確認してみます」
「早くな」
手術を終えた医者のように両手を掲げて清明はいった。その間にも既に第二試合は始まった。今度は【狂乱部族】と【ヘルライダーズ】の闘志が殴り合いを始めていた。
「よう、清明」
声をかけたのは窈だった。
「どうするつぎの試合も連続で出る気か?」
「あ、全然問題ないよ。ただ、身体は洗いたいけどな……渇くと落ちにくいし」
既に爪先などはカピカピになり油が浮いている。麒麟児がいった。
「凄いな、さっきの」
「あ、どうも。いやー……手慣れたもんだよ」
血まみれでにこにこと笑う清明はどこか禍々しさがあった。窈はすこし疑問に思ったことを聞いた。
「それだけの技才があって№sいりしてないのか?」
「あ、はは……痛いところついてくるなぁ。俺もランカーのはしくれだ上を目指してるけど……壁は高くて厚い。何度も負けてるよ」
「そう……なのか」
「一番最初キラーズーに入る前だ。喧嘩自慢だったころかな、紅さんにボッコボコにされてさ。それ以来何度も挑んでるけど……はは、一度も勝ててない」
清明はケラケラと笑った。その顔はなぜか今までの張りつけたような笑顔ではなく、本当に爽やかな笑顔だった。
「涅槃様」
携帯をかけにいっていた黒服が戻ってきた。
「あ、どう?」
「私がご同行という形でいいのならば許可します」
「あ、なんでもいいよ。とりあえずいいなら行こう。」
「分かりました。では、どうぞ」
黒服のあとについていく清明はふり返っていった。
「あ、間に合わなかったら出といてよ。けっこう時間かかると思うし」
「分かった任せとけ」
窈はパキポキと手を鳴らした。やる気十分。
匠がいった。
「さっきはセコンドする間もなかったけど……一応俺は着いていた方が良いのか?」
「ああ、頼む。俺は完璧を目指したい派だ。一番手がパーフェクトなら、俺もパーフェクトを目指す」
『こ、コイツは、アンビリバヴォー……意外、予想外、奇想天外っ!!!秒殺の請負人が秒殺されちまうたぁ笑えねぇ。それにしてもなんてやつだ清明、涼しい顔してとんでもねぇことやりやがるぜ!今日から秒殺の称号はお前のもんだぁぁ!!』
早口でまくしたてるようにアナウンサーは叫ぶ。会場はそれに釣られるようにヒートアップした。さっきまでのブーイングが一転だ。清明!清明!清明!と清明コールに溢れかえっていた。
「べたべたする……。なぁ、控室戻ってシャワー浴びたいんだけど」
まったく意に返さず返り血でまみれた男は選手入場口を塞いでいる黒服の男達にそういっていた。
「試合終了まではこちらにいていただくのがルールなので……」
「逃げやしないって。」
「そういうわけには……」
「こんな血まみれでいろっていうのか?」
第一試合からこんな血みどろで帰還する結果になるとは予想していなかったのは誰も同じだった。黒服のひとりが懐から携帯を抜いた。
「しばし、お待ちください。確認してみます」
「早くな」
手術を終えた医者のように両手を掲げて清明はいった。その間にも既に第二試合は始まった。今度は【狂乱部族】と【ヘルライダーズ】の闘志が殴り合いを始めていた。
「よう、清明」
声をかけたのは窈だった。
「どうするつぎの試合も連続で出る気か?」
「あ、全然問題ないよ。ただ、身体は洗いたいけどな……渇くと落ちにくいし」
既に爪先などはカピカピになり油が浮いている。麒麟児がいった。
「凄いな、さっきの」
「あ、どうも。いやー……手慣れたもんだよ」
血まみれでにこにこと笑う清明はどこか禍々しさがあった。窈はすこし疑問に思ったことを聞いた。
「それだけの技才があって№sいりしてないのか?」
「あ、はは……痛いところついてくるなぁ。俺もランカーのはしくれだ上を目指してるけど……壁は高くて厚い。何度も負けてるよ」
「そう……なのか」
「一番最初キラーズーに入る前だ。喧嘩自慢だったころかな、紅さんにボッコボコにされてさ。それ以来何度も挑んでるけど……はは、一度も勝ててない」
清明はケラケラと笑った。その顔はなぜか今までの張りつけたような笑顔ではなく、本当に爽やかな笑顔だった。
「涅槃様」
携帯をかけにいっていた黒服が戻ってきた。
「あ、どう?」
「私がご同行という形でいいのならば許可します」
「あ、なんでもいいよ。とりあえずいいなら行こう。」
「分かりました。では、どうぞ」
黒服のあとについていく清明はふり返っていった。
「あ、間に合わなかったら出といてよ。けっこう時間かかると思うし」
「分かった任せとけ」
窈はパキポキと手を鳴らした。やる気十分。
匠がいった。
「さっきはセコンドする間もなかったけど……一応俺は着いていた方が良いのか?」
「ああ、頼む。俺は完璧を目指したい派だ。一番手がパーフェクトなら、俺もパーフェクトを目指す」