ー新伝ー伝説を継ぐもの【2】

ー蒼天塔:選手控室ー

清明「十分前か……そろそろアップしとくかな」

窈「手伝うか?」

清明「いいよ、ストレッチだけだから……んーーっ!はぁー……。んーーっ!はぁー……。」

麒麟児「ぐぅー……ぐぅー……」

窈「寝てるし」

匠「コイツ飽きっぽいというか集中力は高いのに持続性がないんだよ。」

清明「瞬間的な爆発力は高いが……単純ってとこか」

匠「正解かな」

麒麟児「ぐぉぉ……」

窈「それにしてもこんな所でよく爆睡できるもんだ……。」

清明「そのくらいの方が良いよ。ごちゃごちゃしてると足元がすくわれる。それに、持続性が足り無い分アンタが補うんだろ?」

匠「ま、そのつもりだ。」

麒麟児「ぐうぅぅ……ごおぉぉ……。」

匠「……」

窈「単純だと神経が図太くなるのかな」

匠「それは知らん」

清明「はぁっ……よしっと、ストレッチ終了。」

コンコンっ…

窈「はい?」

黒服の男「皆様、準備はよろしいですか?」

清明「もちろん」

黒服の男「それでは、どうぞこちらへ。」

窈「よっし行くか。」

匠「起きろ麒麟児」

麒麟児「んん?」









ー蒼天塔:武闘場観客席ー

アナウンサー『レェデイィィィィィィィィス&ジェェェェントルメンッ!!さぁ、今宵も始まった。チィィィムマアァキシムグランプリッ!!!今回のオッズはこれだっ!!』

【アウトブレイク】58.0
【狂乱部族】12.0
【ヘルライダーズ】28.0
【AAA(ノーネーム)】2.0

拳二「かっかっか、最低支持率だぜ」

崇「大穴なら大穴なほどいい。それより……なんだあの名前は」

氷室「とっさにいい名前が思いつかなかったのでとりあえず聞いたことのあるお名前をお借りしておきました。」

崇「……」

拳二「しかし、アウトブレイクチームの倍率は高いな」

氷室「どうやら、運営側から出しているチームのようですね。」

崇「初めから勝たす気などは無いのだろう。」

拳二「なるほどな。」

氷室「一番手は涅槃君ですが……彼はどうなんです?」

崇「失格にならなければいい」

拳二「失格ぅ?」

氷室「余程のことがないと失格などありえないと思いますが」

拳二「だよなぁ、ぶっちゃけ反則なんぞ無いし」

崇「……言い方を変えるか」

拳二「ぁん?」

崇「殺人ショーにならないと良いけどな」
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