ー新伝ー伝説を継ぐもの【2】

ー蒼天塔:闘技場ー

寅「はあぁぁ!!おらぁっ!!」

ドグッンッ!!
「おげっ……!!」

ドシャ……。

【ここでダウンだぁーー!突如現れた新星、右京山とぅぅらあぁぁぁ!!マキシマムGP優勝だあぁぁぁ!!】





~~

ーとある事務所ー

窈「……」

熊彦「……」

氷室「これがごく最近行われた蒼天塔での試合です。優勝者はスイッチボクサーの右京山寅さん。」

窈「……めちゃくちゃレベル高いにな」

氷室「反則なしの喧嘩ですからね。ちなみに彼は賞金50万を受け取っていくつかのボクシングジムからお誘いがあったそうです。」

熊彦「そういう奴らもいるのか」

氷室「だいたいは違法行為によって退去させられプロ崩ればかりですが喧嘩屋なんかも多いですからね。経歴に酷過ぎる傷がなかったら引っ張りたいでしょう」

窈「それで?」

氷室「次の試合が一週間後で締め切りが明日までなんですが私も崇も適任の人材がみつからなかって困ってるんですよね」

熊彦「アンタがでたらいいじゃないか」

氷室「私はこーゆーのは苦手なのですよ。熊彦さん、いかがです?でてみませんか?」

熊彦「お、俺ぇ?!無理無理、俺はせいぜい街の喧嘩自慢程度だぜ」

氷室「っと、いいながら案外いい線いくかも知れませんよ?」

熊彦「むちゃいわんで下さいよ…。」

窈「ちょっと待って、なんで俺には誘いの言葉がないんです?」

氷室「アナタは仕事で忙しいでしょう」

窈「そりゃ忙しいけど……。このタイミングって普通俺の出番とかじゃないの?」

氷室「窈さんを動かすより、悠さんを頼る方がいいですし」

窈「まさかのここで比較された……」

熊彦「あのさ、それだったら初めから悠に頼んだらいいんじゃ?この中だと俺は一番弱いぞ」

氷室「悠さんはこーゆー事では動いてくれませんから」

窈「その動かないと分かってる相手より選ばれない俺……。」

氷室「まぁ、冗談はこの辺りにして」

窈「自用談に聞こえなかったんだけど……」

氷室「今夜、崇とこの件についてのミーティングを兼ねた食事に行くのですが一緒にどうです?」

窈「今夜……今夜か…。得に予定もなかったし……。」

亜美「ご飯食べに行くな亜美も!」

真美「真美もいくー!」

窈「コラコラコラ、そーいうんじゃないから」

氷室「それに食事会といってもレストランや料亭じゃなくラーメン屋ですけどね」

窈「ラーメン屋?それってナニカの隠語?」

氷室「いえ、普通に池袋にあるラーメン屋のことです。深い意味も裏の意味も有りませんよ」

窈「はぁ……。しかし、またなんでラーメン屋?」

氷室「今日あたり悠さんが出没する気配があるので」

熊彦「熊の出没分布みたいだな…」

窈「お前が熊とかいうな」
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