ー新伝ー伝説を継ぐもの

ー陵桜学園高等部教室ー

白嶺「……(弱ったわ。まさか本当に社長が連れてかれるなんて。ニュースも発砲事件で持ちきりだし……どうしようかしら…。)」

雫「どうかしたの?」

白嶺「…え?」

雫「白嶺さん、なんか困った顔してたから。なにかあったのかなって。」

白嶺「えと……姫島さんだったわよね。」

雫「そう。姫島雫ちゃんだよっ。」

白嶺「……なんでもないわ。」

雫「本当に?困ってるなら私すごいひと知ってるよ」

白嶺「凄い人?」

雫「うん。色んなこと相談にのってくれるし、学校だと結構有名なんだけど…」

白嶺「……その人、すぐに会えるの?」

雫「大丈夫。大丈夫。あそこに絶対にいるから。しゅぱーつ!」

白嶺「……(テンション高い娘ね。)」







ー陵桜学園高等部図書室ー


雫「ばばーん。この人でーす」

伏見「……えと、姫島さん。いったいなんの騒ぎ?」

雫「ふみ君にお客さんを連れてきたんだよ」

白嶺「ども」

伏見「どういった用です?」

白嶺「……とても説明しにくいのだけど、例えば警察に無実の罪で連れていかれた人を助けれる方法ってある?」

伏見「……うーん。それは結局、無実の証拠が無かったら無理じゃないかな。」

白嶺「有るには有るけど、その証拠を話にいくと別件で捕まっちゃうのよね…」

雫「?」

伏見「問題ないならちゃんと説明してくれないかな。」

白嶺「……他言無用は約束してもらえるの?」

伏見「それはもちろん。」

雫「ふみ君は大丈夫だよ」

白嶺「…貴女は?」

雫「うん。大丈夫♪」

白嶺「……はぁ、いいわ。昨晩ね…」



~少女説明中~



伏見「…なるほど。話を整理すると…白嶺さんは「摩天楼」っていう金融会社で社員をしていた。社長の結城さんが集金に出ていき、仕事も終わって帰ろうとすると外で喧嘩していて帰れなくなった。少ししたら銃声が聴こえて、外を見たら……警察に連れていかれてたと」

雫「二時間サスペンスだね」

白嶺「ドラマなら良かったんだけどね」

伏見「けど、これはなかなか難題だね」

白嶺「えぇ。だから困ってるのよ」

雫「けど、社長さんは犯人じゃないんだよね?」

白嶺「それは保証するわ。社長は馬鹿だけど、そんな真似をする人じゃないし。馬鹿だけど」

雫「馬鹿って二回いったね。」

白嶺「大事な事だからね。」

伏見「……うん。考えられる手は二つだね。誰かに社長さんの無実を証明してもらうしかない。」

白嶺「それができないから困ってるのよ」

雫「なんで?白嶺さんがしょーげんしたらいいんじゃないの?」

白嶺「はぁ…」

雫「あり?」
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