ー新伝ー伝説を継ぐもの【2】
ー長江組事務所・一階ー
「はぁはぁ、やべーよ。絶対ヤバい」
息を切らして前を走り続ける匠に麒麟児はいった。
「落ち着けよ。匠、こけるぞ」
「なんで、お前は余裕なんだ。」
麒麟児は首をかしげた。何のことだと言葉にせず語る。
「さっきのヤクザかなんか知らないけど見ただろ。平気で人を殺す態度だった。」
「そうかな。面白い人だったけど」
匠は信じせれないという顔をする。
「あ、あのなぁ……いいからさっさと出ようこんな所にいつまでも……」
入ってきた裏口のドアを開けて外へと逃げ出そうとしたとき、側にあるごみ袋の溜まったダストボックスに何かか落ちて来た。ドスッンと盛大な音がしてゴミが飛び散る。匠の顔に液体が跳ねた。
「うわっ……汚っ、なんなんだよ…!?」
顔に付いた液体をぬぐうと腕に赤いなすり痕が広がる。汚汁ではなく血、血液……。硬直しているとダストボックスの中で何かが動いた。ゴミ袋を跳ねのけてズルリと這いずり出て地面に落ちる。
「くっ……」
「あっ!」
「さっきのフードの男」
麒麟児の声にフードの男は首をひねって睨むがほふく前進でずりずりと壁際へ這いずって移動した。その後にずぶ濡れた雑巾でも引きずったような血のなぞりすじが残っている。視線で追うとさっきまでは存在した男の足が無くなっていた。正確には右足首からした。男は壁までたどり着くと、両手で壁に爪を立てて無理矢理に立ちあがる。残っている足の靴を器用に蹴り脱いで目の高さまで舞い上がった靴をキャッチした。靴ひもを引き抜いて無くなった足首から少し上をその紐で力いっぱい縛り絞めた。ぞうきんを絞ったように血が滴り落ちる。ある程度出しきると血は止まった。
外へと続く道の間にとんでもない邪魔ものが現れてしまった。匠は逃げ切れるかと頭の中でシュミレーションしていると麒麟児がいった。
「お前大丈夫か。足がないぞ。肩を貸してやろうか?」
「おまっ……」
「っ……結構だ。それよりお前ら……王の使いじゃないんだな。」
「違う。」
「じゃあなんだ?ここの組員でも無いんだろ」
麒麟児は少し考えていった。
「俺はホストの裏方だ。っで、こっちはホストだ」
「ふざけてるのか…っ?」
「いいや。ふざけてない事実だ。」
砕は麒麟児と匠を交互に睨みつけた。刺し殺すような視線だが、すぐにその目は上を向いた。
「なら、さっさと消えろ。もうすぐここには警察が踏み込んでくるぞ」
匠は叫んだ。
「警察が?!アンタ、警察の人間なのか」
「馬鹿言うな……俺の本当の雇い主様が警察なんだよ。いいから……行け。」
匠は麒麟児の腕を引っ張ってその場を離れようとした。しかし、麒麟児は砕の前で足を止めていった。
「お前はどうするんだ?」
「もうすぐヤツが追ってくる。足止めだ。」
そういってナイフを一本懐からぬいた。今までの物とは違って木製グリップの年季の入ったサバイバルナイフだ。
「足止めって足ないだろ。俺達と逃げよう」
「馬鹿を言うな。俺の居場所はここなんだ。今度こそあの男を仕留める」
空いてる手が上着のポケットに突っ込まれ。フィルムケースのようなピルケースを抜き取ると、蓋を器用に指で弾いてなかの薬を全部口に流し込んだ。ラムネ菓子でもほお張るように奥歯でガリガリと音を立てて噛み砕き喉へと流し込んだ。何の薬かは分からないが誰がどう見てもオーバードライブ(過剰摂取)だ。
「はぁはぁ、やべーよ。絶対ヤバい」
息を切らして前を走り続ける匠に麒麟児はいった。
「落ち着けよ。匠、こけるぞ」
「なんで、お前は余裕なんだ。」
麒麟児は首をかしげた。何のことだと言葉にせず語る。
「さっきのヤクザかなんか知らないけど見ただろ。平気で人を殺す態度だった。」
「そうかな。面白い人だったけど」
匠は信じせれないという顔をする。
「あ、あのなぁ……いいからさっさと出ようこんな所にいつまでも……」
入ってきた裏口のドアを開けて外へと逃げ出そうとしたとき、側にあるごみ袋の溜まったダストボックスに何かか落ちて来た。ドスッンと盛大な音がしてゴミが飛び散る。匠の顔に液体が跳ねた。
「うわっ……汚っ、なんなんだよ…!?」
顔に付いた液体をぬぐうと腕に赤いなすり痕が広がる。汚汁ではなく血、血液……。硬直しているとダストボックスの中で何かが動いた。ゴミ袋を跳ねのけてズルリと這いずり出て地面に落ちる。
「くっ……」
「あっ!」
「さっきのフードの男」
麒麟児の声にフードの男は首をひねって睨むがほふく前進でずりずりと壁際へ這いずって移動した。その後にずぶ濡れた雑巾でも引きずったような血のなぞりすじが残っている。視線で追うとさっきまでは存在した男の足が無くなっていた。正確には右足首からした。男は壁までたどり着くと、両手で壁に爪を立てて無理矢理に立ちあがる。残っている足の靴を器用に蹴り脱いで目の高さまで舞い上がった靴をキャッチした。靴ひもを引き抜いて無くなった足首から少し上をその紐で力いっぱい縛り絞めた。ぞうきんを絞ったように血が滴り落ちる。ある程度出しきると血は止まった。
外へと続く道の間にとんでもない邪魔ものが現れてしまった。匠は逃げ切れるかと頭の中でシュミレーションしていると麒麟児がいった。
「お前大丈夫か。足がないぞ。肩を貸してやろうか?」
「おまっ……」
「っ……結構だ。それよりお前ら……王の使いじゃないんだな。」
「違う。」
「じゃあなんだ?ここの組員でも無いんだろ」
麒麟児は少し考えていった。
「俺はホストの裏方だ。っで、こっちはホストだ」
「ふざけてるのか…っ?」
「いいや。ふざけてない事実だ。」
砕は麒麟児と匠を交互に睨みつけた。刺し殺すような視線だが、すぐにその目は上を向いた。
「なら、さっさと消えろ。もうすぐここには警察が踏み込んでくるぞ」
匠は叫んだ。
「警察が?!アンタ、警察の人間なのか」
「馬鹿言うな……俺の本当の雇い主様が警察なんだよ。いいから……行け。」
匠は麒麟児の腕を引っ張ってその場を離れようとした。しかし、麒麟児は砕の前で足を止めていった。
「お前はどうするんだ?」
「もうすぐヤツが追ってくる。足止めだ。」
そういってナイフを一本懐からぬいた。今までの物とは違って木製グリップの年季の入ったサバイバルナイフだ。
「足止めって足ないだろ。俺達と逃げよう」
「馬鹿を言うな。俺の居場所はここなんだ。今度こそあの男を仕留める」
空いてる手が上着のポケットに突っ込まれ。フィルムケースのようなピルケースを抜き取ると、蓋を器用に指で弾いてなかの薬を全部口に流し込んだ。ラムネ菓子でもほお張るように奥歯でガリガリと音を立てて噛み砕き喉へと流し込んだ。何の薬かは分からないが誰がどう見てもオーバードライブ(過剰摂取)だ。