ー新伝ー伝説を継ぐもの【2】

ー長江組事務所・社長室ー

長江「な、なんだとっ!」

氷室「まぁまぁ、細かい指摘でカッカッするのは恰好悪いですよ。」

王「あは、あはは。あははは。」

漆原「王さん……笑いすぎです」

王「ウルたん。いつまでてっぽー構えてるの?こっちきて座りなよ」

ポンポン……
漆原「……」

炎銃「飼い主が呼んでるぞオッサン」

漆原「……」

麒麟児「なんか揉めてるな」

匠「麒麟児、今はヘタなこと喋らん方が良い。絶対に…」

麒麟児「そか、分かった。」

氷室「さて……長江さん、あなたお薬を扱ってるそうですね。それが最近、池袋でも出回り始めましてね……。」

長江「はっ、だからなんだ?買う奴の問題だろ。俺らは欲しいといってるから売ってやってるだけだ。」

氷室「そうですね。」

長江「あ?」

氷室「確かに結局は買う側に問題があります。ですがね……そうやって頭の悪いガキにホイホイ売ってもらうと困るんですよ。暴力も薬もヤクザも警察もガキも裏も表も一定の均衡を保つことで我々は充実な生活を送っているんです。それをアナタの様な中途半端なヤクザ崩れに横やり入れられると迷惑なんですよ。」

長江「だったらどうする?」

氷室「アナタを警察に突き出します」

長江「はっはっはっはっ。バカバカしい。」

氷室「バカバカしい……ですか。では、少し言い方を変えましょう。アナタを半殺しにして警察に突き出す」

長江「腕っ節に自信があるようだが……こっちにも立派な傭兵は居るぞ。おいっ!!」

ガチャ!
フードの男「……」

氷室「……」

長江「コイツは正真正銘の傭兵だ。しかも、ひひっ、アッパー使用者。ひき肉になりたく無かったら消えな」

フードの男「……」

氷室「アッパー?」

王「あれれ?薫ちん、ライフが出回ってるから来たんじゃないの?」

氷室「ライフ?いえ、TB(トァブ)です」

王「ピルだっけ~。意識にモヤがかかって~記憶は曖昧~睡眠も少なくなって~~ポン引きが女を従順にさせるのに使うお薬。持続性は高いけど毒性と依存性は低い、けど自殺するヤツが多くて効果が薄まると一時的に重い幻覚症状がでて追い込まれるだワン」

氷室「流石お詳しいですね。」

王「そっちの方は専門外なんだけどねん。とりあえず薫ちん、お話し終わったんならこっちの商談に進めたいんだけどいいかなん」

長江「待ってください。王さん、今すぐこのガキどもを追い出しますから。砕、ソイツらを片付けろ」

フードの男「……」

氷室「(砕?中国人?……獲物はナイフ。さて、どうしましょうか)」

長江「そうそう、王さん。ひとり紹介しましょう。私の右腕の瑠璃(るり)です」

ガチャ
瑠璃「……」

長江「薬(ライフ)の件なんですが商談はこの瑠璃と……」

王「ルリちゃん。ご苦労様」

瑠璃「はい、王様」

長江「は?」

王「俺のお仕事ってねご存知の通り死体売買なんだよね……。色々注文があるんだけどお薬してる人の死体って不評なの。ライフって特に身体の中ボロッボロにしちゃうからさぁ。お仕事の邪魔になっちゃうんだよね」

長江「そ、それはどういう」

王「んー……死んで♪」
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