ー新伝ー伝説を継ぐもの【2】

ー長江組事務所・裏口ー

ジャージ男A「あん?なんだ?」

氷室「すいません、お店の方はもう閉められたようですが長江さんはいらっしゃいますか?」

ジャージ男A「……長江さんのこと知ってるのか?悪いが居ないぜ」

氷室「本当にですか?」

ジャージ男A「居ないってんだろっ!!なんだお前は!」

氷室「お薬のことでここに来たんです」

ジャージA「なんだよ……そっちの客かよ。それならそういえよなぁ。」

氷室「いや、はは。申し訳ありません。勝手がわからないものでして……」

ジャージ男A「そのわりには落ち着いてるな。」

氷室「私、バイヤーなんです。今までは薬は扱ってなかったのですがこのご時世ですからね。流行り物は手に入れておきたいじゃないですか」

ジャージ男A「なるほどなぁ。しかし、ちょっと、間が悪かったな」

氷室「っと、言いますと?」

ジャージ男A「俺も詳しくは知らないが特別な客が見えているそうだ。」

氷室「特別お客?」

ジャージ男A「ああ、だから、バイヤーの兄さんには悪いが出直してもらうぜ」

氷室「それは仕方ありませんね。では、これは少ないですけど挨拶料です」

ピッ

ジャージ男A「おっ!!こいつはワリュッ……」

ドシャ……

氷室「どうぞ、おやすみなさい」

炎銃「まどろっこしい真似しやがって」

氷室「そうでしょうか。出来るだけ情報を集めてスピーディに処理したつもりなんですけど」

匠「今、いったい何を?」

麒麟児「金を覗きこんであの男の顎を打った。」

氷室「正解です。麒麟児さんは本当にいい目をしていらっしゃいますね。」

麒麟児「おう」

匠「この男どうします?」

氷室「手足と口と目を塞いで転がしておきましょう。ここに偶然ガムテープがあるので」

匠「偶然?」

麒麟児「ナイスタイミングだな!」

匠「いやいや。」

炎銃「茶番はそこまでにしとけ。何か客もいるらしいがどうする気だ?」

氷室「ここまで来たら退くわけにはいかないでしょう。皆さんはやめていただいても結構ですよ?」

匠「どうする?」

麒麟児「約束をしたんだ。俺は行く。」

匠「……コイツがこういってるんで俺も行きますよ」

氷室「祭さんは?」

炎銃「話しは着いたならさっさと準備しろ」

氷室「突撃態勢でしたか。」

炎銃「あ?いったか?」

氷室「アナタの勇ましい姿は本当に美しいです。まるでジョン・マクレーンの様ですよ」

炎銃「……」

麒麟児「ジョン・マクレーン?」

匠「ダイハードの主役だな。ブルース・ウィリスの」

麒麟児「あぁ、ダイ・ハード/ラスト・デイやるらしいな」

炎銃「おい、いい加減にしとけよ。踏み込むなら踏み込む、いかねぇなら消えろ」

氷室「祭さん、私が先に入りますから、いきなり殴り込むような真似は……」

炎銃「おらぁー!長江はいるか!!」
ドゴッ!!

氷室「はい……そうですよね。」
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