ー新伝ー伝説を継ぐもの【2】

ー長江組事務所前の喫茶店ー

炎銃「それで……長江の事務所に行く気かよ」

氷室「はい。」

炎銃「本当に、お前は無茶苦茶だな」

氷室「そうでしょうか?祭さんにいわれると思いませんでした」

炎銃「あ゛?」

氷室「褒めてるんですよ?」

炎銃「嘘つけコラ!」

氷室「あはは。嘘じゃありませんよ。アナタの勇猛さには昔から感心していたのですから」

炎銃「あ゛ーイライラする」

氷室「チョコレートケーキでも食べますか?」

炎銃「いらねーよ」

氷室「イライラした時は甘い物がいいんですよ?」

炎銃「お前の眼鏡を粉々にしたら簡単に収まるぜ」

氷室「このフレームはお気に入りなので許してください。」

炎銃「……気にいってない眼鏡あるのか?」

氷室「そんなのあるわけ無いじゃないですか。あはは」

炎銃「てめーの眼鏡コレクション全部割ってやろうか……。」

氷室「おや、ウチに来てくれるのですか?」

炎銃「……もういい、喋るな。口を開くな」

独「……」

麒麟児「……」

匠「……」

氷室「おっと、紹介が遅れてしまいましたね。右から独君、麒麟児さん、匠さんです。独君は学生、隣のお二人はホストです」

麒麟児「おれは裏方だ」

炎銃「なんだ、この色物の集まりは…」

氷室「大抵、皆さん色ものですよ。祭さんだって十分に」

炎銃「殺すぞ……。」

独「あの……仲間じゃないんですか?」

氷室「お友達です」

炎銃「敵だ」

匠「なんか、凄い女の人だな」

麒麟児「素敵だ」

匠「は?」

麒麟児「カッコイイじゃないか」

匠「か、カッコイイってお前…」

炎銃「ほほぅ。お前はなかなか見どころあるな。麒麟児ってのも中々厳つい名前だし」

麒麟児「だろう」

匠「珍しいな……麒麟児が女性と意気投合するなんて」

独「ホストなのに?」

氷室「祭さんは男性扱いされる方が喜びますからね。そういう意味では男女の扱いに差がない麒麟児さんは話しやすいのでしょう」

独「なるほど……あっ!シャッター降りましたよ」

氷室「では、そろそろ行きましょうか。手はず通りにお願いします」

麒麟児「おう」

匠「オッケー」

独「お気をつけて」

炎銃「待て乗り掛かった船だ。俺も行く」

氷室「これは嬉しいですね。百人力です」

炎銃「テメェも背中には気をつけとけ……」

氷室「分かりました。祭つんの背中は私が守りますので」

炎銃「……」

氷室「では、行きましょう」
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