ー新伝ー伝説を継ぐもの【2】

ー原宿・アクティヴスリープー

氷室「すいません。わざわざ一席設けていただいて」

オーナー「いやいや、ウチがホストクラブなのが申し訳ない」

独「えと……どういう事なんです?」

匠「ウチのオーナーとあの氷室さんってひとなんか知り合いだったみたいなんだ」

氷室「知り合いというほどのものでもないですけどね」

オーナー「酷いな。昔は闘路でよく競ったじゃないか、まぁ、俺がボコボコっにされただけなんだが」

氷室「独君には私から紹介しましょう。彼は流郷茂紀(るさしげき)。元、東口ランカーで今は立派にホストクラブのオーナーをしています」

茂紀「麒麟児から話しは聞いてる。色々と迷惑をかけて世話になってしまったようだね。」

独「いえ、なんか、成り行きで色々あっただけなんで……それより、麒麟児……さんの調子は?」

麒麟児「「さん」はいらないっていっただろ。」

匠「ぴんぴんしてるよ。コイツはゾンビと同じなんだ」

氷室「ゾンビを名乗るのなら頭撃たれても生きてないとダメですよ?」

匠「えぇ……」

独「ていうか、むしろ、ゾンビは頭撃たれて死ぬんじゃないんですか?」

氷室「確かに言われてみればそうですね……。」

茂紀「それより、本題に入らないか?」

氷室「あぁ、そうでした。いやー、やはり年配の方がいらっしゃるとまとめて貰えるのでいいですね」

茂紀「……あの、おっさん扱いしてないか?」

氷室「まさか」

茂紀「……」

氷室「さて、では、本題に……ここより数百メートル先に長江事務所があります。そこへ襲撃へいきます」

独「パードゥン?」

氷室「あ、襲撃じゃなくて殴り込みともいいます」

独「そこに疑問を持ってるんじゃなくもっと大きな意味で疑問してるんですよ!!」

麒麟児「俺も行くのか?」

氷室「はい。出来ればご同行お願いしたいです」

匠「……いや、確かにうちの店に嫌がらせはしてるがいきなり殴り込みって……オーナー、いいんすか?警察に引っ張られる可能性大ですよ」

茂紀「向こうがタレコム可能性はゼロだ。なにせ薬の売買をやってるらしい」

匠「マジすか……。」

氷室「あくまでも可能性ですけど、叩けばホコリが溢れだすのは確実なので外部通報さえされなければ大丈夫でしょう。」

匠「……でも、相手はヤクザだろ」

氷室「それも調べましたがケツモチは居ないようです。ですが、厄介なのが二人いるらしいのです。」

匠「ヤクザがついてないのに薬を扱ってるのか?」

氷室「今までのスピード等とは違う種類のドラッグらしいく出所がヤクザでは無いのでしょう。」

匠「……」

氷室「もちろん、麒麟児さんは約束はしていただきましたが強制はしません。どうしま……」

麒麟児「行く」

匠「早いな?!」

麒麟児「あいつらが痛い目見れば店に嫌がらせして来なくなるだろ」

匠「それは……そうだが。」

独「あの、俺も行くんですか?」

氷室「独君には向かいの喫茶店で見張りをしててもらうつもりです。安全は保証します」

麒麟児「よし、行こう」

匠「待て待てって!俺も行く」

氷室「よろしいんですか?色々と取り返しがつかなくなるかも知れませんよ?」

匠「少数精鋭でも氷室さんと麒麟児だけじゃ少なすぎるだろ。それに俺は麒麟児と組めば敵無しだ。」
51/100ページ
スキ