ー新伝ー伝説を継ぐもの【2】

ーとある事務所ー

窈「熊、ハンティングに行くぞ。ついて来い」

熊彦「仕事終わりに、超能力バトル漫画の第四部みたいなこと言われたのは初めてだ。」

窈「フッ……悠にキレられたくないから今やっと第四部まで読んだよ。正直、あんなに面白いとは思わなかった。」

小鳥「私はジョリーンが好きだなー。」

窈「ジョリーン?」

小鳥「第六部です」

窈「もー、俺が読んだのは第四部までっていってるでしょー。」

熊彦「帰っていいか?」

窈「だからハンティングに行くっていってるだろ。ついてこないというのなら左の……」

熊彦「左の?」

窈「行くぞ」

熊彦「左の何だよ?!言えよ!左が何なんだよーー!!」

トレーナー「あの……すいません、プロデューサー?」

窈「おっと……どうしました?」

トレーナー「それが、今日ボイストレーニング予定の杏が来ていないんですけど」

窈「がふっ……。」

トレーナー「もしかして……その様子だと…また…」

窈「あ~い~つ~また、サボりの虫がうずいたかぁ~」

熊彦「……どういうことで誰のことだ?」

律子「双葉杏は分かる?小さい子」

熊彦「最近はだいたい名前覚えて来たからな……えーと、アレかいっつもきぐるみ着てる。しゃべり方が変わってんの」

小鳥「それは仁奈ちゃんですよ」

熊彦「……」

律子「ぬいぐるみをいつも持ってる子よ。器量はいいのにサボり癖が目立っちゃってね」

窈「どうせ家に居るだろうからちょっと首根っこ掴んで連れて行きます」

トレーナー「はい、それじゃあお願いします」

窈「今度からきらりと組ませてやる…。移動も全部強制きらりん輸送じゃ」

小鳥「わぁ……プロデューサー本気ですね」

熊彦「……ハンティングとやらはどーするんだ?」

窈「……熊、俺の代わりにいって事情を説明して麒麟を狩れ」

熊彦「……」

窈「……」

熊彦「も、モンハン?」

窈「麒麟児の事に決まってるだろ。誰が幻銃の話しをした。」

熊彦「いやいや、俺に相手してろって……」

窈「時間を稼いでたらいい。」

熊彦「日を改めたらいいじゃないか!!」

窈「逃げたと思われるのがイヤだからだ」

熊彦「変な所で負けず嫌い!!」

窈「お前ならやれる。」

熊彦「~~」

窈「頼む。すぐに行くから」

熊彦「っ……場所は!」

窈「池袋東口のビックリガード近くだそうだ。氷室が居るはずだから」

熊彦「俺あの人とちゃんと話したこと無いんだけどな…」

窈「こっちからも連絡しておく。つなぎになっててくれるだけで良いから」

熊彦「はぁ~……長い日になりそうだ」

窈「お互いにな……。」

熊彦「いや、お前の本業の事は知らんけど」

窈「……と、とにかく、そういう事だ。頼んだぞ!」

熊彦「はぁ~~…」
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