ー新伝ー伝説を継ぐもの
ー池袋・エスペラント店内ー
新垣「あれが上野の連中か…。」
凍夜「新垣さん。ちょっと来るのが遅かったね。」
新垣「相変わらずの強さですね。摩天楼にウチら本職が手ぇ出せないのもよく分かる。」
凍夜「はは、勝手なことして悪かったね。コイツらちょっとムカついたもんでさ。」
新垣「どうぞ。」
新垣は懐から銀色のシガーケースを出して、紙巻きのタバコを一本、凍夜に向ける。
凍夜「煙草は止めたんだけど……せっかくだ。いただこう。」
新垣「……」
新垣は手慣れた動作で凍夜のくわえたタバコに火をつけた。
凍夜「ふぅ…さすが新垣さんだね。こっちの気持ちがよくわかってる」
新垣「この世界に入って最初に覚えたのがこの動作でしたから。ちゃんと一発で火を着けないと兄さんたちに殴り飛ばされたもんです」
凍夜「そのことじゃないよ」
新垣「え?」
凍夜「何で俺がコイツらと喧嘩したのか聞かないんだ?」
新垣「ウチの親父に金貸した時の「条件」が関係しているんでしょう?」
凍夜「ふふ、やっぱり知ってたんだ」
新垣「ええ。凍夜さんともあろう人が何の条件もナシに…ウチの親父に金を貸すわけないでしょ」
凍夜「どんな条件か知ってる?」
新垣「まぁ、直接親父に聞いた訳じゃ無いんですか…………金村の引退ですよね?」
城戸「!?」
凍夜「俺はさ、アンタならいけると思ってるんだよね……「関東の銀虎」っていわれたあの人の領域に。」
新垣「かいかぶり過ぎですよ。俺と四代目ではこの世界に足を踏み入れた瞬間から天と地程の差があります。俺が金村興業を継いだところでその差は埋められませんよ」
凍夜「そんなものなのかねぇ。俺なんか、空から金をもらってから、あっというまにここまで来たぜ」
新垣「そういえばそうでしたね。忘れてました。」
凍夜「人間、チャンスは突然降ってくる。要はさ、そのチャンスを貰ってから一気に上り詰められるかどうかなんじゃないのかな?」
新垣「……」
凍夜「三次団体とはいえ組長は組長。のしあがるチャンスとしては悪くない。アンタも少し真剣に考えといてくれ」
新垣「……」
城戸「あっ!」
伊藤「く、くっそ~……ぶち殺してやる」
顔中血まみれで、歯が折れたのか喋りにくそうに声をあげながら伊原は立ち上がった。震える手で拳銃を構える。
凍夜「アイツ…」
新垣「凍夜さん、申し訳ありませんがここからは俺たちの仕事です。どうすんだアンタ、その拳銃、今ここでぶっぱなすのか?そんな勇気がアンタにあんのか?」
伊藤「ぐっ…ぅぅ…」
新垣「撃ったらこっちもそれなりの対応しなきゃなんない。だが、このまま大人しく帰るってぇならこの一件は無かったことにする。どうだ?」
伊藤「は…ぁ…何を偉そうにぃ…こっちぁ、上野誠和の面子がかかってんだ!」
新垣「それは分かってる。だが、アンタが撃てば…………俺も撃つ」
伊藤「なっ…」
新垣「アンタらがどうしてこの店で飲んでたのかは問わない。だからその拳銃、こっちに渡してくれ」
伊藤「く、来んな!来んな!」
凍夜「……」
城戸「……」
新垣「あれが上野の連中か…。」
凍夜「新垣さん。ちょっと来るのが遅かったね。」
新垣「相変わらずの強さですね。摩天楼にウチら本職が手ぇ出せないのもよく分かる。」
凍夜「はは、勝手なことして悪かったね。コイツらちょっとムカついたもんでさ。」
新垣「どうぞ。」
新垣は懐から銀色のシガーケースを出して、紙巻きのタバコを一本、凍夜に向ける。
凍夜「煙草は止めたんだけど……せっかくだ。いただこう。」
新垣「……」
新垣は手慣れた動作で凍夜のくわえたタバコに火をつけた。
凍夜「ふぅ…さすが新垣さんだね。こっちの気持ちがよくわかってる」
新垣「この世界に入って最初に覚えたのがこの動作でしたから。ちゃんと一発で火を着けないと兄さんたちに殴り飛ばされたもんです」
凍夜「そのことじゃないよ」
新垣「え?」
凍夜「何で俺がコイツらと喧嘩したのか聞かないんだ?」
新垣「ウチの親父に金貸した時の「条件」が関係しているんでしょう?」
凍夜「ふふ、やっぱり知ってたんだ」
新垣「ええ。凍夜さんともあろう人が何の条件もナシに…ウチの親父に金を貸すわけないでしょ」
凍夜「どんな条件か知ってる?」
新垣「まぁ、直接親父に聞いた訳じゃ無いんですか…………金村の引退ですよね?」
城戸「!?」
凍夜「俺はさ、アンタならいけると思ってるんだよね……「関東の銀虎」っていわれたあの人の領域に。」
新垣「かいかぶり過ぎですよ。俺と四代目ではこの世界に足を踏み入れた瞬間から天と地程の差があります。俺が金村興業を継いだところでその差は埋められませんよ」
凍夜「そんなものなのかねぇ。俺なんか、空から金をもらってから、あっというまにここまで来たぜ」
新垣「そういえばそうでしたね。忘れてました。」
凍夜「人間、チャンスは突然降ってくる。要はさ、そのチャンスを貰ってから一気に上り詰められるかどうかなんじゃないのかな?」
新垣「……」
凍夜「三次団体とはいえ組長は組長。のしあがるチャンスとしては悪くない。アンタも少し真剣に考えといてくれ」
新垣「……」
城戸「あっ!」
伊藤「く、くっそ~……ぶち殺してやる」
顔中血まみれで、歯が折れたのか喋りにくそうに声をあげながら伊原は立ち上がった。震える手で拳銃を構える。
凍夜「アイツ…」
新垣「凍夜さん、申し訳ありませんがここからは俺たちの仕事です。どうすんだアンタ、その拳銃、今ここでぶっぱなすのか?そんな勇気がアンタにあんのか?」
伊藤「ぐっ…ぅぅ…」
新垣「撃ったらこっちもそれなりの対応しなきゃなんない。だが、このまま大人しく帰るってぇならこの一件は無かったことにする。どうだ?」
伊藤「は…ぁ…何を偉そうにぃ…こっちぁ、上野誠和の面子がかかってんだ!」
新垣「それは分かってる。だが、アンタが撃てば…………俺も撃つ」
伊藤「なっ…」
新垣「アンタらがどうしてこの店で飲んでたのかは問わない。だからその拳銃、こっちに渡してくれ」
伊藤「く、来んな!来んな!」
凍夜「……」
城戸「……」