ー新伝ー伝説を継ぐもの【2】

ーとある事務所ー

窈「はあぁぁ……。」

律子「あれ……プロデューサー、今日は休暇だったのでは?」

窈「ちょっと、厄介な……いや、色々あってね。あー、しんど……ごめん、水もらえます?」

小鳥「あ、はいどうぞです」

窈「ごくっごくっ……ぷはっー。美味い」

律子「汗だくじゃないですか……なにしてるんだか。タオルどうぞ」

窈「はは、ありがと……本当になにしてるんだろうね…。」

熊彦「お疲れ様でーす。って、窈、なんでいる?」

窈「ちょっと色々あってな……っていうか、馴染んでるなお前。」

熊彦「正直バイト代が良いからな。引っ越しみたく腰壊す心配も無いし」

窈「まぁ、荷物を直接持ち運びしないからな」

熊彦「喋るけどな」

窈「可愛い女の子のトークなんだ。悪い気はしないだろ。」

熊彦「知らん。俺は基本喋らないからな」

窈「……タクシーの運転手にはなれそうにないな」

熊彦「それでも俺はゴールド免許の優良ドライバーだ」

窈「むっ……それは負けた……俺一回、シートベルトで切られてるからなぁ」

熊彦「ふっ」

窈「鼻で笑いやがったな」

熊彦「いやいや……。」

窈「まぁいい、ちょっと送ってくれないか?走り疲れた」

律子「使用で車使われると困るんですけど?」

窈「そういわずに……こんかいだけ見逃してよ」

熊彦「何かあったのか?」

窈「……」
クィクィ……

熊彦「ん?なんだよ」

窈「ぼそぼそ(麒麟児って覚えてるか?)」

熊彦「ボソボソ(きりんじ?)」

窈「ぼそぼそ(ほら、ホストで強いのがいるっていってたろ)」

熊彦「ボソボソ(あぁ……あの、お前がホスト集団とジャージ集団ボコボコにした。でも、会わなかっただろ)」

窈「ぼそぼそ(その麒麟児とさっき会った。つで、ちょっと押し合いっこした。)」

熊彦「なにっ?!」

窈「わぎゃっ?!み、耳もとで大声出すな!鼓膜にはウエイトしてないんだぞ……。」

律子「なんの話ししてるのかしら」

小鳥「男同士の密談……じゅる」

律子「小鳥さん、よだれ出てますよ」

小鳥「おっと……。コホン。なんのお話ししてるんでしょうね」

律子「……」

熊彦「それでどうだったんだ」

窈「押し合いは負けた。そのかわり、ぶん投げてやったよ」

熊彦「ほー」

窈「けど、着地された。」

熊彦「……つまりどうなったんだ?」

窈「互いにノーダメージ。警察が来たから慌てて逃げて来た。」

熊彦「一発も殴らずに逃げてくるなんて珍しいな」

窈「お前な俺は無益な暴力なんてしない主義だぞ」

熊彦「俺、アンタと初顔合わせでボコボコにされたよな?戦闘シーンもなく……。」

窈「いや、熊彦はなんか顔怖かったし。カツアゲとか、密売とか、子供とか虐めてそうだから成敗したんだ。あと、戦闘シーンとかメタいこというなよ。」

熊彦「顔が怖いのは認めるけど、それ以外は全部勝手な妄想だろっ!!」

窈「子供(幼女)は俺が守るんだ。」

熊彦「そうか……それは良いことだな」

窈「人として当然だ。」
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