ー新伝ー伝説を継ぐもの【2】

ー和龍軒ー

氷室「はい、お疲れ様でした。」

独「はぁはぁぁ……(ま、まさか池袋まで走らされるなんて)」

麒麟児「誰か知らないが助かったどうもありがとう」

氷室「いえいえ。」

独「はあはぁはぁ……(なんで、このひとら、ふつうなの…)」

麒麟児「なにかお礼をさせてほしい。あのままだと警察に捕まって店に迷惑をかけてた。」

氷室「そんな、お礼だなんて。じゃあ、お昼をごちそうしてもらうのとお話しを少し聞かせてもらって良いですか?」

麒麟児「いいぞ。俺たちも飯をくうつもりだったし」

独「はぁはぁ…」

千夜「警察?氷室さん、どうかしたんすか?」

氷室「ちょっと近くで色々あったんです。」

独「はぁはぁ(近くじゃねぇ)」

あずみ「ご注文、おきまりですか?」

氷室「では、私は和龍すぺしゃる大盛りで」

麒麟児「俺も同じので良い。独は?」

独「み、みず……。」

麒麟児「ミミズなんて食べるのか?!」

独「ベタ過ぎ…」

麒麟児「ミミズなんてあるのか?」

千夜「ねぇよ!あと、水はセルフだ」

あずみ「あの、お水どうぞ」

独「あ、ありがとうゴクッゴクッ」

千夜「っで、注文は?」

麒麟児「同じので良い」

千夜「すぺしゃる三つだな」

あずみ「すぺしゃる三つはいりまーす」

氷室「さて、自己紹介が遅れましたが。私は氷室薫といいます」

麒麟児「女みたいな名前だな」

千夜「あ゛?」

独「麒麟児、失礼だろ」

麒麟児「ん、そうか、ごめんなさい」

氷室「あはは。たまに言われますよ。気にしないでください」

麒麟児「俺は希凛二。麒麟児だ」

氷室「希くんで麒麟児?」

独「あ、なんかあだ名らしいです。希と凛と二を読み替えて麒麟児と」

氷室「へー、なかなか神々しいあだ名ですね」

麒麟児「神々しい?ビールっぽいじゃなく」

氷室「ですが、麒麟児とは、幼少から秀でた才を示す子どものことをいいますよ」

麒麟児「マジでか?!」

独「マジッすか」

氷室「はい。私も詳しい程ではありませんが神聖な生き物であるとされ、鳳凰、亀、龍と共に「四霊」と総称されてますよ。」

麒麟児「初めて知った。独はしってたのか?」

独「いや、全然。なんかモンスターとかそういうんのだろうなーってことくらい。」

氷室「ふふ、ところでアナタの名前は?」

独「あ、すいません。天涯独っていいます」

氷室「天涯独……孤がはいったら天涯孤独になりますね」

独「はは……よくいわれますよ。生涯孤独とか天涯孤独とか……」

麒麟児「カッコいいな孤独」

独「カッコよくないし、やめて、独って呼んで「孤」を足さないで!」

氷室「あはは、お二人とも面白いですね。」

麒麟児「良かったな、独。褒められたぞ」

独「褒められては無いと思う……。」

あずみ「……」
ぷるぷる…

千夜「……あずみ、肩震えてんぞ」

あずみ「ご、こめんなさいっ、ふふ……ちょっと、ツボっちゃいました…ふふっ」
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