ー新伝ー伝説を継ぐもの【2】
ー裏路地ー
結局、皆と遊んだ帰り、ちょっと近道しようといつもと違う道を進んでいると男の人に手がぶつかってしまいました。そして……
独「あ、すいません」
イケメンの男「……」
その男の人は、男性である俺から見ても超のつくイケメンでした。それで会釈して行こうとしたらポンと肩を叩かれました。
独「はい?」
イケメンの男「顔が隠れた長髪、黒い服……みつけた。」
もしかして、誰か知り合いと勘違いしてるのかもしれないと思って、俺は人違いですよと首をかしげました。その瞬間、傾げた側と逆のほほに何かがかすり耳の後ろでゴンッと何かが壁にぶつかった鈍い音がしました。
独「……」
イケメンの男「避わさられた」
状況がまったく理解できませんが、ひとつだけ分かったことがあります。このカッコイイお兄さんは俺の顔を殴ろうとして、たまたま運よく狙いがズレて当たらなかった。
奇跡。避けたのではなく偶然当たらなかった奇跡。故に……絶対的戦力差は埋まっていない。
独「うわあっ!!」
ほぼ突発的の反射的に前蹴りを放った。
イケメンの男「んっ……。」
独「マジかよ…。」
構えも何もない。ただ、がむしゃらに出した喧嘩キックは左腕でしっかりと受け止められていた。
イケメンの男「あ……」
独「え?」
イケメンの男「防げてた」
独「は?」
よく分からないが隙ができた。俺は足を引っ込めて、即座に身体を右に切って走りだす。だが、目のまえに一本の杭が伸びてきた。
ガンッとさっき聞いたのと同じ音が鳴る。
イケメンの男「あちゃ……また外れた」
まるで予(あらかじ)め俺が逃げる方向が分かっていたかのように、進行を遮るように拳で逃げ道を阻まれたのだった。
独「っ……」
イケメンの男「あたらないな……。」
どうやら意図的に外してるのではなく当たっていないらしい。二度目の奇跡……今年の運を既に使いつくしてしまっていそうな状態だ。立ち向かって勝てるはずもないが、逃げることも叶わないなんて……。
イケメンの男「あ、そっか。掴んどいたらいいんだ。」
独「へっ……?!」
そうイケメンのお兄さんが呟くと、俺は胸ぐらを掴まれた。そして壁を背にズリズリと身体が釣り上げられる。俺は身長があるのでそうそう吊りあげられたりしないのだが……片手で壁に押さえつけられた。
イケメンの男「よし……これなら当たる。」
ああ、何か分からないうちに俺はこの人に殴られてしまうらしい。覚悟を決めるのは無理だったがせめてすぐに終わりますようにと神に祈りながら目を閉じた。
「ちょ、なにしてんすか!」
独「……?」
誰かの声がした。
イケメンの男「見つけたから殴ろうとしてる。ほら、いってた男」
「いやいや、違うっすよ。タカナシユウはもっとだらーっと貞子みたいな前髪で後ろ髪も長い奴!麒麟児さん、しっかり見てください。」
麒麟児「……えと、タカナシユウだよな?」
独「い、いえ、天涯独というものです」
麒麟児「……」
そういうとイケメンのお兄さんは俺の胸ぐらから手を離して、ガクッと膝を折って、額を地面に着けた。土下座だ。
独「ちょっ?!」
麒麟児「間違えましたごめんなさい!」
結局、皆と遊んだ帰り、ちょっと近道しようといつもと違う道を進んでいると男の人に手がぶつかってしまいました。そして……
独「あ、すいません」
イケメンの男「……」
その男の人は、男性である俺から見ても超のつくイケメンでした。それで会釈して行こうとしたらポンと肩を叩かれました。
独「はい?」
イケメンの男「顔が隠れた長髪、黒い服……みつけた。」
もしかして、誰か知り合いと勘違いしてるのかもしれないと思って、俺は人違いですよと首をかしげました。その瞬間、傾げた側と逆のほほに何かがかすり耳の後ろでゴンッと何かが壁にぶつかった鈍い音がしました。
独「……」
イケメンの男「避わさられた」
状況がまったく理解できませんが、ひとつだけ分かったことがあります。このカッコイイお兄さんは俺の顔を殴ろうとして、たまたま運よく狙いがズレて当たらなかった。
奇跡。避けたのではなく偶然当たらなかった奇跡。故に……絶対的戦力差は埋まっていない。
独「うわあっ!!」
ほぼ突発的の反射的に前蹴りを放った。
イケメンの男「んっ……。」
独「マジかよ…。」
構えも何もない。ただ、がむしゃらに出した喧嘩キックは左腕でしっかりと受け止められていた。
イケメンの男「あ……」
独「え?」
イケメンの男「防げてた」
独「は?」
よく分からないが隙ができた。俺は足を引っ込めて、即座に身体を右に切って走りだす。だが、目のまえに一本の杭が伸びてきた。
ガンッとさっき聞いたのと同じ音が鳴る。
イケメンの男「あちゃ……また外れた」
まるで予(あらかじ)め俺が逃げる方向が分かっていたかのように、進行を遮るように拳で逃げ道を阻まれたのだった。
独「っ……」
イケメンの男「あたらないな……。」
どうやら意図的に外してるのではなく当たっていないらしい。二度目の奇跡……今年の運を既に使いつくしてしまっていそうな状態だ。立ち向かって勝てるはずもないが、逃げることも叶わないなんて……。
イケメンの男「あ、そっか。掴んどいたらいいんだ。」
独「へっ……?!」
そうイケメンのお兄さんが呟くと、俺は胸ぐらを掴まれた。そして壁を背にズリズリと身体が釣り上げられる。俺は身長があるのでそうそう吊りあげられたりしないのだが……片手で壁に押さえつけられた。
イケメンの男「よし……これなら当たる。」
ああ、何か分からないうちに俺はこの人に殴られてしまうらしい。覚悟を決めるのは無理だったがせめてすぐに終わりますようにと神に祈りながら目を閉じた。
「ちょ、なにしてんすか!」
独「……?」
誰かの声がした。
イケメンの男「見つけたから殴ろうとしてる。ほら、いってた男」
「いやいや、違うっすよ。タカナシユウはもっとだらーっと貞子みたいな前髪で後ろ髪も長い奴!麒麟児さん、しっかり見てください。」
麒麟児「……えと、タカナシユウだよな?」
独「い、いえ、天涯独というものです」
麒麟児「……」
そういうとイケメンのお兄さんは俺の胸ぐらから手を離して、ガクッと膝を折って、額を地面に着けた。土下座だ。
独「ちょっ?!」
麒麟児「間違えましたごめんなさい!」