ー新伝ー伝説を継ぐもの【2】

ーとある事務所ー

悠「へー……って、そのくらい知っとけよ」

拳二「やめるなら同じだろ」

悠「色々変わってくるんだよ。自己都合とか……」

凍夜「ま、その話しはちょっと置いときまして……私としては、無職になられるのはちょっと困るんですよね。せっかく良い職についてるのに辞めるなんて言うのは」

窈「だけど俺は……」

高木「私も小鳥遊窈君に辞められるのは非常に困る。この退職届……」

【退職願】

拳二「願」

高木「おっほん、退職願を是非撤回してもらいたいのだがね。退職届でなく退職願いだし」

窈「け、けど……」

悠「めんどくせぇなぁ。拳二」

拳二「あ?」

悠「ライター」

拳二「ほれ、タバコは?」

悠「いらねーよ。吸わねーの知ってんだろ。」

カチッ……ボッ!!

窈「あぁ!」

悠「はい、退職届……いや、願……んー、どっちでもいい!それは燃えカスになった。これで辞めるもクソも無いだろ」

窈「悠……」

悠「アンタさ……一億なんて簡単に稼げる額じゃないだろ。だったら、なんで仕事をやめようとする?一流プロデューサーになって、一流アイドルを育てて一億しっかり返済して見せろよ。クリスマスにだってすっげぇライヴやったんだろ。社長さん、コイツ、仕事できるんでしょ?」

高木「ああ、贔屓抜きにしても彼は素晴らしい才を持っている」

窈「社長……。」

悠「それに……おれがいった事を憶えてるか?」

窈「何年でも……待っててくれるっていう?」

悠「そうだ。アレは別に喧嘩を待っててやるっていう意味だけじゃない。おれはいつでも暇してるんだ。金は無いけど、相談くらいはのってやる。」

窈「……」

悠「やり直してみろよ。仮初めの小鳥遊悠なんて捨てて、小鳥遊窈としてさ。」

窈「……」

悠「おれからは以上だ。あと、アンタ次第。」

崇「やれやれ、ずいぶんと長く話したな……本郷、車をまわして来い」

本郷「ふっ…。」

拳二「んーはぁー……あー、はぁー……いやー、なかなか面白かったぜ。」

凍夜「じゃ、俺も失礼しますよ。よぉーく考えてこれから先のこと決めて、また顔出してくださいよ。」

熊彦「あー、えと、上手く言えないけど……俺はアンタの友達のつもりだし。運転手くらいはするぜ。引っ越しとかのバイトで地図とか結構覚えてるし。」

窈「……あ、あの悠!」

悠「あー?」

窈「握手してもらえるかな」

悠「……んっ」

ぎゅ……

窈「ありがとう。小鳥遊悠」

悠「どういたしまして。小鳥遊窈。」

拳二「このまま飯食いに行こうぜ」

悠「お、いいな」

崇「お前の奢りか?」

拳二「悠の復活祝いで俺ぁとお前とで悠に奢ってやるんだよ」

凍夜「あ、俺も参加させてもらっていかな。せっかくだしもっと話ししたいし……っていうか悠ってお腹の穴どうなったの?」

悠「あー……ほぼ塞がった」

崇「相変わらず気色の悪い身体だな」

拳二「本当に人間なのか?お前?」

悠「うん、お前らに人間かどうかを疑問視されるのは納得いかないから。」

高木「……これからも頑張ってくれたまえ」

窈「はい、頑張ります。」
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