ー新伝ー伝説を継ぐもの【2】

ー池袋:魔天楼ー

凍夜「zz……zz……」

熊彦「ぐぉー!」

凍夜「んんっー……。」

熊彦「ぐぉー!ごぉー!!」

凍夜「あーもー!うるさいなっ!」

悠(?)「おはよう」

凍夜「お……どうしたのめかしこんじゃって」

悠(?)「事務所の方に顔出すから、真面目モードだ。」

凍夜「ふーん……でも、そういうさぁ、黒のワイシャツにグレーの背広ってガラ悪いんじゃない?」

悠(?)「プロデューサーっていうのはな迫力も必要なんだ。時に多少手荒なことをしなくちゃならないこともある。アイドルの世界は煌びやかな世界じゃない。」

凍夜「ふーん、やつぱりそういうのあるんだ」

悠(?)「俺の仕事はさ、そういう汚い部分を見せないようにするのが本質なんだ。もちろん全部をどうこうできることじゃないし、敵も増えるけどな。だが……結構いいもんだぜ目のまえでアイドル(女の子の夢)を叶える仕事って。」

凍夜「そのセリフだけ聞くといい人っぽいな」

悠(?)「なんだ今ごろ気がついたのか?」

凍夜「残念、まだ見極めてる最中だ。それより、ネクタイ曲がってるぞ」

キュッ……

悠(?)「ああ、すまん。」

白嶺「おはようございま……」

凍夜「あれ、ヨミちゃん。おはよう」

白嶺「お邪魔しました」

悠(?)「待て待て、とんでもない誤解してるだろ!」

熊彦「ぐおぉ……うっせー!人が寝てるんだぞ!!静かにしろ!!」

悠(?)「うるせぇのはテメェのいびきだ!起きろボケ!!」

ガンッ!
熊彦「痛っ!!」

凍夜「はぁ……こんな騒がしい朝は初めてだよ……。」

悠(?)「っと、ふざけてる場合じゃなかった。」

凍夜「行くのかい?」

悠(?)「ああ。次に会うのは……借用書を返してもらう時だな」

凍夜「更に上書きの書類にサインしないといいけどね。」

悠(?)「いってくれるぜ。」

凍夜「叱咤激励とでも思ってくれていいし、一億の負債を抱えて欲しい嫌味ととってもいい。」

熊彦「うぅ……頭がガンガンするってどっかいくのか?」

悠(?)「仕事だ。」

熊彦「ちょっと待ってくれすぐ準備するから」

悠(?)「……なんのだ?」

熊彦「アンタに着いていく」

悠(?)「はぁ……ふざけっ……いや、待てよ……。お前免許は?」

熊彦「持ってるぜ。車はねーけど。」

悠(?)「……よし、いいだろ着いて来い。」

熊彦「おうよ」

凍夜「気をつけて」

悠(?)「ああ、じゃあな」

熊彦「ちょ、せめて顔ぐらい洗わせろよ!!」

悠(?)「いいから来い!」

凍夜「まったく、嵐みたいな連中だったな……ふあぁ……もうひと眠りしようかな」

白嶺「起きて仕事してください」

凍夜「うおっ?!よ、ヨミちゃん帰ったんじゃないんだ」

白嶺「ええ、今日の集金者の名簿渡すの忘れてましたから。はい、ちゃんと渡しましたから。絶対に今日中に回収おねがいますよ。」

凍夜「はは、はーい……。」
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