ー新伝ー伝説を継ぐもの【2】

ー魔天楼ー



ニュースキャスター【速報をお伝えします。原宿のホストクラブの前で負傷者多数の暴力事件が……】



凍夜「物騒だねぇ」

悠(?)「麒麟児が今日休みとかないわぁ……。」

熊彦「ジャージ集団もホスト集団もぶっ倒しといてよくいうよ……。何十人居たんだか…。」

悠(?)「こっちは平和的に話しかけたのに絡んできたのは向こうだ。」

熊彦「無茶苦茶だな」

凍夜「……ところでさ、誰?」

悠(?)「えと……誰だっけ」

熊彦「熊彦だよ!!」

凍夜「うちの……お客さんって訳じゃなさそうだね。」

熊彦「ここって何屋なんだ?」

凍夜「……」

悠(?)「闇金」

熊彦「マジか……え、タカナシユウつて店してる噂は聞いてたけど金貸ししてたのか」

凍夜「色々勘違いしてる様だな。あのさ、ここは俺の事務所でこっちのが顧客だから」

悠(?)「そうだな。」

熊彦「借金してるのか?」

悠(?)「ほんの三千万ほどな」

熊彦「三千万か……三千万?!!」

悠(?)「大声出すな……」

凍夜「もしかしたら一億の負債抱えるかも知れないけどね。」

熊彦「いちおっ……もしかして、俺今ヤバいことに巻き込まれつつあるのか?」

悠(?)「いや、お前関係ないし。だいたい、誰だよ」

熊彦「熊彦だよ!!」

凍夜「君らいったい本当になんなの……」

白嶺「こんばんわ。あれ……お客さんですか?」

凍夜「なんか……変な人」

悠(?)「クマゴローだって」

熊彦「熊彦だよっ!そっちの方が覚え難いだろっ!!」

悠(?)「声でかいっーの!」

白嶺「社長、いつからうちは芸人養成所になったんです?」

凍夜「本当にねぇ」

悠(?)「アイドルはプロデュースしても芸人は育ててないぞ」

熊彦「あいどる?」

白嶺「アイドルで思い出した。タカナシさん、アナタこんなところで油売ってていいの?」

悠(?)「油売ってる訳じゃないんだけど……どういうことだい?」

白嶺「私の口から聞くよりテレビ見てください」

悠(?)「テレビ?」

~~

ニュースキャスター【次のニュースです。クリスマスを目前に控え、アイドルたちの大型ライヴが開始されます。場所は東京スカイタワー(蒼天塔)の……】

~~

悠(?)「……あっ。」

凍夜「もしかしなくても……このクリスマスライブに事務所の子たちでるの?」

悠(?)「やっべ……忘れてた。」

白嶺「そんなのでいいんですか……。」

悠(?)「はは、別のことで頭いっぱいだったし……」

ヴィー…ヴィー…

熊彦「携帯震えてるぜ」

悠(?)「あ、すまん。もしもし?」

?『ずいぶんと派手にやってる様だな』

悠(?)「その声は……虎狗琥。なんのことだ?」

崇『西新宿に原宿といえば分かるか?』

悠(?)「……ずいぶん早耳だな」

崇『ふんっ。体調は万全みたいだな』

悠(?)「十二分だ。」

崇『いい返事だ。なら、特別な舞台を用意してやった。12月25日深夜スカイタワーに来い。小鳥遊悠と闘わせてやる。』

悠(?)「12月25日?!ちょ、そ、その日は……」

崇『逃げたければ逃げてもかまわんぞ。どうなってもいいなら……だがな。』

ブッ……ツー……ツー……

悠(?)「おい!待って!……切れてるし。」
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