ー新伝ー伝説を継ぐもの【2】

ー池袋:魔天楼ー

白嶺「どうぞ、お茶です」

悠(?)「どうも、ありがとう。君……。」

白嶺「はい?」

悠(?)「可愛いね。」

白嶺「……はい?」

悠(?)「あはは。」

凍夜「しかし、三千万ですか……。大金です。」

悠(?)「おっと……ん、もちろん大金だ。銀行何かじゃ到底貸してもらえない」

凍夜「なぜ?」

悠(?)「なぜって……今時三千万の融資をしてくれる銀行なんか中々あるわけないだろ。」

凍夜「会社はどうですか……?最近では功績をあげている」

悠(?)「無い無い。自分で言うのもアレだが、うちは決して大きな事務所じゃないし、個人に三千万の融資なんてありえない」

凍夜「なるほど」

悠(?)「なんだ?」

凍夜「この三千万は個人的に使うってことですか」

悠(?)「そうだ。どうしても必要な物を買うための費用だ」

凍夜「それが三千万か……安い買い物では無いですね」

悠(?)「それだけの価値があるって事だ」

凍夜「ふむ…………では、審査させてもらいます。」

悠(?)「ああ、何をすればいい」

凍夜「誓約書を書いて貰うだけでいいですよ」

悠(?)「どーいうことだ。」

凍夜「巷で噂になってますよ。本物VS偽物の頂上決戦」

悠(?)「……」

凍夜「誓約内容は三つ、まずはアナタのすべて話してもらう事。もちろんこれは追々聞いていくとして、大事なのは次から何か行動する場合は俺を同行させること、そして最後に……三千万は無利子無担保でお貸ししますし、勝てば返済も結構です。」

白嶺「社長なにを……!!」

凍夜「ただし……負ければ倍。いや、一億で返していただくことが条件です」

悠(?)「いちっ……?!」

凍夜「勝てばアナタの負債はありません。そして、この条件は変えません。いかがです?」

悠(?)「池袋の駆け込み寺っていわれてるにしては……随分悪どいな」

凍夜「……」

悠(?)「まぁいい。どうせ、他に当ては無い。その条件で良い。」

凍夜「解りました。ヨミちゃん、書類を作成して名前と印を貰っておいて」

白嶺「わかりました。少々お待ちください」

悠(?)「金はいつ貰えるんだ」

凍夜「今日の昼までには用意しておくので一時にでもまた来てください」

悠(?)「そんなに早く用意できるのか?!」

凍夜「ええ、もっと早くがいいのなら一時間以内でも可能ですが」

悠(?)「いや、いい分かった。ただし、サインもその時だ実際に金を見てから……いいな?」

凍夜「どうぞ」

悠(?)「……」

バタン……

白嶺「……なんで、あんな約束を?」

凍夜「んー……なんとなく?」

白嶺「またいい加減なことを」

凍夜「ま、いいじゃない。彼の思念が本物だと分かったことだし。」

白嶺「よくは無いですよ。またこんな面倒な顧客とって……本当にどうする気ですか」

凍夜「さて、三千万用意しとかないとね」

白嶺「はぁ……。」
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