ー日常ー街の住人達

ー池袋東口:和龍軒ー

緋斗「痛っっ…」

悠「ずるるるるっ!美味い!放課後のラーメンてなんでこんなに美味いんだろうか……やっぱり授業で疲れた後だからかな」

千夜「……疲れるほど勉強してんのか?」

悠「寝疲れだ!」

千夜「寝て腹減るってガキかよ」

悠「育ち盛りなのー」

千夜「うぜぇ」

緋斗「うぅ…」

悠「さっきから何しきりに首を回してる」

緋斗「どっかの誰かに関節決められて首が痛いんよ…」

悠「ふぅん、大変だな。ずるるるるっ」

緋斗「えっ、このひと……自分が原因とわかっとらんの?」

悠「いや、分かってるよ。分かってるけど……その覚悟があって殴りかかってきたんだろ?」

緋斗「確かに殴ったけども!ちゃうやん!戦闘能力が!なのに関節極めるとか!」

悠「怖かったんだよ。あ、ヤバい殺されるって思っちゃって身体が勝手に動いたんだ」

緋斗「平然と嘘つく悠やんが怖いわ」

千夜「そいつがいってることは半分が適当、半分が嘘だぞ」

悠「真実とか優しさの成分が足りませんよ?」

千夜「ないだろ」

悠「あるよ。女にはな!」

千夜「それは優しさじゃなくて下心だろ」

悠「否定はしない」

緋斗「できないの間違いやろ」

悠「チャーシューいらないなら食ってやるよ。」
ひょい

緋斗「酷い!」

悠「弱肉強食……食うか食われるかだ!」

緋斗「ほんなら味玉もら……」

悠「……」
ペキッパキッ

緋斗「……なんでもないです」

千夜「お前……酷いヤツだな」

悠「酷くないよ天使だよ」

千夜「あ?」

悠「包丁をこっち向けるのは危険が危ない」

千夜「ったく、ほれ」

スッ…ちゃぽん
緋斗「チャーシュー!」

千夜「サービスだ」

緋斗「あざっす!」

悠「あれ、おれには?」

千夜「……」

スッ…ぼちゃん!
悠「うぇへへ、そんな大きな塊でいれてくれるなんてガジ…………なにふぉれ?」

千夜「廃棄用のキャベツの芯」

悠「ぐぐぐ……ぶぁり、ぼぉり……ごりがり……んぐっ。せめて火をしっかり通してほしかったな……ズズッ」

緋斗「このひと喰いきりおった……」

千夜「ポリバケツみたいなやつだな」

悠「トウモロコシの芯はさすがに食べないぞ」

緋斗「スイカの皮は?」

悠「漬物にしたら食べるかな」

千夜「ケチなのか雑食なのかわかんねぇな」

悠「へへん!」

千夜「褒めてはねぇよ」

悠「照れんなよ」

千夜「あ?」

悠「だから包丁は危険が危ない!」
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