ー日常ー街の住人達【10】

ー池袋:フラワーショップ桜花ー

鈴猫「はい、もしもし?」

『あ、鈴猫。私、明日香!!』

鈴猫「明日香先輩?久しぶりですね。どうかしたんですか?」

明日香『動物病院!』

鈴猫「はい?」

明日香『馬の足の骨折を治せる病院を探してるの!!どこかしらない!鈴猫はいろんな知り合いがいるでしょっ!!』

鈴猫「お、落ち着いてください。動物病院……馬の骨折って」

悠「馬の骨折が治せる動物病院を知りたいのか?」

鈴猫「うひゃっぁ!?びっくりした……。」

悠「ちょっと電話かしてくれ」

鈴猫「は、えっ、はい」

悠「もしもし?電話代わりました。鈴猫の知り合いだ。今から教える場所に電話するといい。」

明日香『えっ、あっ、ありがとうございます!』

悠「メモの準備はいいか?090-××××-××××、この番号にかければ富沢という爺さんにかかる。そしたら「小鳥遊」という人伝手に聞いたっていえば話を聞いてくれる。きっと馬の保護はしてくれるだろう。それからある程度の話がまとまったら。富沢のじいさんから十鳥動物病院に紹介状を書いてもらうといい。話、理解したか?」

明日香『……は、はい。メモしました。ありがとうございます!ありがとうございます!失礼します!』

悠「いーえ。……はい、電話返すよ。」

鈴猫「よく分からないけど動物病院、紹介してくれてありがとうね。」

悠「いや、礼はいらないらない。なに……誰か知らないが今の電話の相手スゲー苦しむことになると思うし。」

鈴猫「えっ?」

~~

明日香「ということで、ここを紹介されました。」

十鳥「あいつか……面倒ごとを……。はぁ。」

明日香「あ、あの、お金の準備はすぐにはできません。だから、せめて何か手伝わせてくれないでしょうか。働かせてください。」

十鳥「ふん、その言葉に二言は無いな。」

明日香「はい!」

十鳥「だったら倉庫の片づけだ。」

明日香「か、片付け?」

十鳥「倉庫をあけないと何処で馬を治療するんだ。さっさとしないと馬の搬送もできないぞ。」

明日香「す、すぐに取り掛かります!」

数時間後、トラックでアスカミライが搬送されてきた。

十鳥「鎮静剤は効いてるな。ガレージの一番奥に入れてくれ。」

「わかりました。オーライ、オーライ。」

十鳥「注文した敷き藁は?消毒済みだろうな?」

明日香「アスカミライ…」

十鳥「おい何してる!倉庫のガラクタを全部出さないかっ!」

明日香「は、はいっっ!!」
52/67ページ
スキ