ー日常ー街の住人達【10】

ー常春の国エメラダ:ミハイル宮殿ー

ミハイル「武器を振り回すところはあまり静かでも穏やかでもないようだが」

「最初のうちは実力行使もやむえんさ。」

「早速始めてもらおう」

ミハイル「なにを?」

「決まっている。人間すべてに自我をうえつけねばならん」

「そのために我らの仲間「自ャ我イモ」を大量生産するのだ。」

ミハイル「言ったと思うがボーっとしていてどうやって作ったか覚えていない」

「コンピューターを操作して作った以上データが残っているはずだ、それに従え」

銃を突き付けられたまま仕方なく殿下は昨日弄っていたジャガイモの遺伝子データを操作していく。

ミハイル「(くそ~っ。ムーンの知識を利用してるからなぁ。革命軍が最終ラインを突破したときのための僕しか知らない毒ガス兵器もあるにはあるかせ、それではムーンたちを殺してしまうし、かといって自ャ我イモを作るわけにもいかない。ああどうしたらいいんだ、どうしたら……)」

考え事をしながらいい加減な遺伝子をいい加減に種イモに加えていった結果、培養液のタンクが突然破裂した。

そこから巨大な人型で頭がイモの何かが現れた。

「「「なななっ!?」」」

【御主人様、新しい命を吹き込んでくださってありがとうございます。お礼に三つの願いをかなえてさしあげます。】

ミハイル「3つの願い!?」

【そうです。】

ミハイル「(願いだと!?世界中の富か永遠の若さか!)」

「なんだこいつは!」

「どうしてこんなわけのわからないものが!」

ミハイル「あるいは宇宙のすべての謎を解き明かす神秘の哲学の叡智か!)」

「おい、ブタマン!きさまなにをやったんだ!」

ミハイル「(それとも…)」

「答えんかー!」

ミハイル「やかましいうるさくて考えがまとまらんだろーが!だまれーー!」

「「「……」」」

殿下が叫ぶとピタッと自ャ我イモたちは口を閉じた。

ミハイル「よし、静かになったなあらためて……うわー!しばらく頭を洗ってないから考え事をすると頭がかゆくなるー!かゆすぎて考えられないなんとかならんかー!あれ、おさまった?よし、まずはとにかくこいつらに憑いているイモの自我を除去いるんだ!」

ジャガイモの魔神(?)が手をかざすとムーンたちからイモの自我が抜けだして一斉に消滅した。

ミハイル「よくやった次の願いは」

【もう3つかなえました】

ミハイル「えっ?」

【まずうるさくしているその者たちを静かにさせ、それから頭のかゆみを押さえました。ですから今のが3つ目の願いです。それではさようなら。】

止める間もなく見た目のインパクトに全振りのジャガイモの魔神は煙のように消えてしまった。

ミハイル「うわーっ!せっかく不老不死になれるチャンスだったのにーー!僕ってバカだーー!」

ムーン1「うーん……?」

チコ「朝食を食べ終えたあたりから記憶が……」

マリア「いったい何がおきたんでしょう?」

デカンショ号「さぁ、いっこうに」
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