ー日常ー街の住人達【10】

ーエメラダ銀座:公会堂前ー

チコ「すごいショーでしたね。」

ミハイル「あんな力が本当にあるんんだな。」

ムーン「あっ忘れた」

チコ「え?」

ムーン「数字を書いた紙を席に置いたままだ。記念に取ってる。」

チコ「わかりました。まぁ、強烈に不思議な世界を見せられて気が動転するのも分かりますね。」

ミハイル「だな」

次の日、ミハイルは一冊の本を読んでいた。タイトルは「あなたにもとうしができる」。

チコ「また~すぐかぶれるんですから」

ムーン1「どこで見つけたんです。そんな本。」

ミハイル「図書館にあったんだ。えーとまず証券会社へ行って株や証券を買って……」

チコ「え?」

ミハイル「とーし信託もてがるなとーしの手段として」

ムーン1「投資じゃないですか」

ミハイル「なぜひらがなで書く!この本は役に立たん次の本!」

チコ「タイトルは……危険な凍死」

ミハイル「凍え死んだら大概危険じゃわい!誰がこんな本を書いてるんだ!責任者出て来い!」

ムーン1「勝手にやっててください。」

ミハイル「待て!この本はまともそうだ!」

チコ「透視入門……たしかに今までよりはそれっぽいですけど。」

ミハイル「ふむふむふむふむ。実に理論的だお前たちを実験台にしてやってみよう。お前の心を透視する。」

ムーン1「はあ」

ミハイル「お前は……お金が欲しいと思っているだろう!」

ムーン1「それゃまあ…」

ミハイル「よし、当たった!!」

ムーン1「えぇっ…」

ミハイル「次はお前だ。お前は休暇が欲しいと思ってるだろう!」

チコ「はい」

ミハイル「また当たったなんという素晴らしい本だ。」

ムーン1「まだ昼間ですがお風呂入ってクソして寝たらどうですか?」

マリア「殿下、お手紙です。」

ミハイル「おっ、誰からの手紙か透視して見せよう。」

マリア「はあ?」

チコ「ちょっと透視にかぶれてるんです。」

マリア「透視ですか」

ミハイル「……えっ、日本の麻生君から?」

マリア「あっ、惜しい」

ミハイル「なにっ!というと小沢ん君!?」

マリア「差出人はスカーレットピンパーネル」

ミハイル「ぜんぜん違うじゃないか!!」

チコ「そんな本読んですぐにできるもんじゃないでしょ。」

ミハイル「それにしてもスカーレットピンパーネル(紅はこべ)?ふざけた名前だ。ええと本日中に大金庫の中の秘宝レッドダイヤをちょうだいたします。怪盗紅はこべ」

「「はあっ?」」
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