ー日常ー街の住人達【10】

ーロイヤル=ハイネス=エメラダホテルー

ウィルソン「ななっ!?」

しかし、黒煙はすぐに霧散した。

マリア「……失敗ですか?」

チコ「そりゃあんな雑なやり方じゃ……」

ミハイル「くそっ、もう一度だ!誰でもいいから出て来い!!」

ムーン1「うわーこれ以上ない大雑把な召喚…。」

すると今度は爆発したようなまばゆい光とともに不気味な仮面をかぶった黒い靄に覆われた悪魔が現れたのだ。

チコ「出てくるし」

マリア「出てるんですねぇ」

悪魔【……】

ウィルソン「あ、あ、悪魔だー!」

奥さん「きゃーっ!」

グルメ警視「エメラダの人間なら宇宙人や悪魔になれっ子なんですがね。」

チコ「ですねぇ」

悪魔【要件は?】

ミハイル「さっき一人の悪魔が小さな女の子をさらっていった。その悪魔を見つけて女の子を連れ戻してほしい。」

悪魔【報酬は人間の魂一個】

ウィルソン「わ、私の魂をやる!」

奥さん「あなた!」

ウィルソン「だから娘を!」

悪魔【よし】

悪魔はそれを聞き入れると短く返事をして、溶けるように悪魔は消えた。

「「「……」」」

すぐに戻ってくるかと思ったがそれから一時間たって再び現れた。

チコ「戻ってきた!」

ウィルソン「娘は!」

悪魔【今日この国に悪魔はおろか妖魔すら近寄ってはおらぬ、したがって娘をさらったのは魔界の住人ではない。】

ミハイル「そんなはずはない!」

悪魔【嘘をつく理由があるか】

ミハイル「(なんだと……?いったいどういうことなんだ!)」

悪魔【では約束通り魂を】

ミハイル「待て!女の子を連れて帰る約束だがお前は約束を果たしてない!したがって報酬は発生しない!」

悪魔【悪魔がさらったという前提が間違っておったのではないか!】

ミハイル「プロセスは関係ない!結果がすべてだ!」

悪魔【詭弁を弄すな!上級悪魔をただ働きさせようなどと考えるとそのままにしておかんぞ!】

ミハイル「偉そうなことを言ってもダメだ!僕は大悪魔のメフィストレス(の知り合いと)知り合いなんだぞ!」

悪魔【えっ!?】

それを聞いた悪魔はさすがに驚いたらしく、少し待てと言って姿を消した。

日本、とある學校……。

メフィスト「小鳥遊さーん、義鷹さーん、ワインデもいかがデス?」

義鷹「ワインか。」

悠「赤?白?」

メフィスト「赤デ……ん?」

悪魔【メフィスト・レス様、メフィスト・レス様】

メフィスト「…誰だ?」

悪魔【サルガタナス准将配下の上級悪魔ベルススめにございます。お許しも請わず突然の接触誠に……】

メフィスト「挨拶はいらマせン。何用デス?」

ベルスス【この不細工な人間がメフィスト・レス公爵様の知り合いと名乗って本当でありましょうか?】
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