ー日常ー街の住人達【10】

ーロイヤル=ハイネス=エメラダホテルー

ミハイル「うーむ、しかし他に考えようがないんだがなあ。あとはそれこそ魔法でも使ってドアから出ていったか……魔法か!」

チコ「え?」

ミハイル「魔法を使うならドアに拘ることはない!翼を持ち人間に見えない何者かが窓から出は入りしたのだとしたら!」

ウィルソン「魔法ですって何を夢のようなことを」

グルメ警視「しっ」

ミハイル「悪魔だ!理由はわからんが悪魔がマリーアンちゃんを見込んでさらっていったのだ!密室状況に見えたのも当然だ!犯人は魔界の住人なんだからな!」

ウィルソン「悪魔?魔界?殿下は本気であんなことを?」

ムーン1「本気も本気、大本気です。」

ミハイル「そう考えればあのメモも納得がいく!マリーアンちゃんは窓の外に現れた悪魔を見て魅入られちことに気付き、自分はもう絶望しか!絶望をひとつしか持てない状況だということを両親に知らせるために、あのメモを書いたのだ!霊感青年の44号を呼べ!」

ムーン1「44号は非番ですよ。」

ミハイル「いいから呼び出せ!」

ムーン1「わかりました。」

ミハイル「手遅れにならなければいいが……」

ムーン1「殿下、たいへんです。」

ミハイル「どうした!」

ムーン1「44号はトンズラこいたそうです。非番のたびにこき使うから」

ミハイル「そんなこと言ってる場合か!しかたない、誰か手の空いてる者にホテルに魔法書をもってこさせろ!」

少しして……

マリア「失礼します。魔法書をもってきましたけど、どうするんです?」

ミハイル「僕が悪魔を召喚する。」

チコ「ええっ、素人がやって大丈夫なんですか?!」

ミハイル「非常事態なんだ!」

マリア「悪魔を呼ぶのも相当非常なことですけどね。」

PM4時…ホテルの方には許可を取り床に魔方陣を描き必要な物を揃えて悪魔召喚を始めた。

ミハイル「われは呼ぶマグヌスファウストアグリッパ古の魔術師たちの深い憂鬱の奥に潜む邪悪なる影よ。サタンの爪、エンサの鏡、全き謎よ……以下省略!つい先ほどまでここにいた悪魔よ出て来い!」

チコ「安直な召喚だなぁ…」

マリア「そんな雑でいいのでしょうか…」

ウィルソン「なにかの冗談なのかね」

奥さん「さあ……」

そのとき、部屋が揺れた。窓の外は揺れていないつまり、この部屋だけが揺れ出したのだ。そして魔方陣から夜より黒い煙が拭きだし始めた。
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