ー日常ー街の住人達【10】

ー常春の国エメラダ:ミハイル宮殿ー

ミハイル「たいくつだなぁ。なにか面白い話はないか?」

チコ「こんな話を知ってますか?」

ミハイル「どんな話だ?」

チコ「真夜中の墓地で」

ミハイル「ほお」

チコ「三回転ぶと」

ミハイル「ふむ」

チコ「痛い」

ミハイル「落とし話か!」

チコ「ラジオで○光師匠が言ってたんです。」

ミハイル「もっと気の利いた話はないのか!僕はたいくつしてるんだ!」

チコ「退屈している暇があったら仕事をしてください!」

ミハイル「(しまったやぶへびだった。)」

マリア「お取込み中スイマセン。殿下、お電話です。」

ミハイル「ホッ、仕事をしようと思ったが電話だ。」

チコ「今ホッとしたでしょう。」

ミハイル「これはしたり僕ほど仕事に情熱を持つ人間はいないというのに」

チコ「本当ですね。電話が終わるのを待ってますから仕事をするんですよ。」

余計な事をいうもんじゃないな、と思うミハイルだった。

ミハイル「もしもし、ああエメラダ警察のグルメ警視」

グルメ警視『変わった事件が事件が起きたらご報告するように殿下にいわれておりましたので。』

ミハイル「なにか起こったのか!」

グルメ警視『ロイヤル=ハイネス=エメラダホテルで密室誘拐事件です。』

ミハイル「えっ、密室殺人とは聞くが密室の誘拐事件と言うのは?」

グルメ警視『密室状況下で6歳の少女が行方不明になったのです。ご両親は大変心配されていますが残念ながら私には何が起きたのか見当もつきません。謎解きの名人の殿下の力をお貸し願えないと思いまして。』

ミハイル「分かったすぐ行く。……というわけだ。」

チコ「どういうわけです。」

ミハイル「仕事をしたいのはやのやのだが名探偵の出番といわれたら断るわけにもいくまい。」

チコ「終わったら仕事してくださいよ。」

ミハイル「わかったわかった。」

チコ「念のためについていきます。」

ミハイル「勝手にしろ」

マリア「お気をつけてー。」


PM2時 ロイヤル=ハイネス=エメラダホテル

チコ「なんのかんのいってお前も仕事をさぼりたかったんじゃないのか」

チコ「これはしかり私ほど仕事に情熱を燃やす人間はいないというのに。」

ミハイル「真似をするな……ところで、やけに子供が多いな。」

ホテルの周りには風船やらお菓子を持った子供がたくさん集まっている。さらによくよく見てみればボールから刃物までいろんなものをジャグリングしている男や一輪車に逆立ちで載っているピエロなど色んな大道芸人がいるではないか。
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