ー日常ー街の住人達【10】
ー常春の国エメラダ:ミハイル宮殿ー
そして夜中になりミハイルは宮殿内を調査し始めた。真夜中に仕事といっていたので職務室へと向かったところ、目の前の廊下にある人物が歩いていたのだ。
ミハイル『……』
ミハイル「ハッ、僕がいる!」
ミハイル『……』
ミハイル「あそこにいる僕は確かに僕だがここにいる僕はいったい誰だろう。「そこつ長屋」やってる場合か!にせ者待て!」
ミハイル『ハッ!』
逃げ回り、追いまわし、暴れまくりの大騒ぎにみんなが集まりだした。
ムーン1「なんだ!?」
チコ「殿下がふたりいますっ!!」
ミハイル『!!』
片方のミハイルが例の鏡の部屋に飛び込んだかと思うと、更にそのまま鏡そのものの中に飛び込んでいった。
ミハイル「ああっ!?」
チコ「こ、これは!」
マリア「そうかわかりました!あれは本物の魔法の鏡なのです!殿下のキャラクターがあまりにも強烈なので鏡に映った鏡像が実体化して出歩いたのです!」
ミハイル「ちょっと設定が強引すぎないか?」
マリア「むしろこんな異常現象を普通に受け入れて解説してる私を褒めて欲しいぐらいなんですが。」
チコ「それは本当にすごいと思った…。」
ムーン1「あの、鏡の中の殿下が何か言ってますよ」
ミハイル『僕はまじめに仕事をしたり人の役に立とうと思っているだけなのになぜ追いまわすのです!』
ミハイル「何を言ってるんだ。この偽物は」
ムーン1「円陣!」
ムーンたちは鏡の中の殿下の言葉に全員で円陣を組んだ。
ムーン1「思い出してみると左手で書類にサインしていた。鏡像だから左利きになるのは当然だがそれだけじゃなくキャラクターも裏返しになっているらしい。」
マリア「裏返し……ちょっと失礼します。」
ムーン2「というと?」
ムーン1「ケチでわがままで怠け者の性格が鏡に反射して反対になっているんだ。」
チコ「つまり鏡の中の殿下は素直で働き者でおそらくお金にもセコくないんでしょうね。」
ムーン3「夢のような話だな」
ムーン1「鏡像の偽物であるが理想的な殿下と本物ではあるがいばってばかりでドケチのしょーもない殿下とどっちを選ぶ?」
「「「そりゃ決まってる」」」
ミハイル「こら何を相談してるんだ」
円陣を素早く解くとムーンたちは殿下を押さえつけた。
ムーン1「鏡の殿下お出ましください」
ミハイル『……』
ムーン1「全員一致であなた様を新しいご主人に決定いたしました。」
ミハイル「なっ!何を言ってる!お前たちの主人は僕に決まってるじゃないか!」
ムーン1「やかましい大飯ぐらいの役立たずに用はない!新しい国王のもと、新生エメラダ王国を築くのだ旧国王は死ぬまで地下牢に幽閉だー!」
ミハイル「なななっ!」
マリア「あのー、皆さんダメですよ。鏡の殿下さんは使えません。書類を確認してみましたけどサインが全部鏡像文字でこれじゃ仕事になりませんよ。」
それを聞いた瞬間、殿下を捕えていたムーンたちが鏡の殿下を取り押さえた。
ムーン1「殿下、早くとどめを!」
ミハイル『ええっ!?』
ミハイル「と、とおっ!」
鏡の殿下を本物がぶん殴ると粉々に砕け散った。どうじに大鏡も霧散してしまう。
ムーン1「おわかりでしょうがもちろん全てはニセ者を油断させるための計画だったのです。」
ムーン2「われわれはいつまでも殿下の忠実な家来です。」
「「「ハッハッハッ」」」
いやーこいつら本気だった。まことに人の心は鏡に映る虚像のように信用できないものだ、と考えさせられたミハイルでした。
そして夜中になりミハイルは宮殿内を調査し始めた。真夜中に仕事といっていたので職務室へと向かったところ、目の前の廊下にある人物が歩いていたのだ。
ミハイル『……』
ミハイル「ハッ、僕がいる!」
ミハイル『……』
ミハイル「あそこにいる僕は確かに僕だがここにいる僕はいったい誰だろう。「そこつ長屋」やってる場合か!にせ者待て!」
ミハイル『ハッ!』
逃げ回り、追いまわし、暴れまくりの大騒ぎにみんなが集まりだした。
ムーン1「なんだ!?」
チコ「殿下がふたりいますっ!!」
ミハイル『!!』
片方のミハイルが例の鏡の部屋に飛び込んだかと思うと、更にそのまま鏡そのものの中に飛び込んでいった。
ミハイル「ああっ!?」
チコ「こ、これは!」
マリア「そうかわかりました!あれは本物の魔法の鏡なのです!殿下のキャラクターがあまりにも強烈なので鏡に映った鏡像が実体化して出歩いたのです!」
ミハイル「ちょっと設定が強引すぎないか?」
マリア「むしろこんな異常現象を普通に受け入れて解説してる私を褒めて欲しいぐらいなんですが。」
チコ「それは本当にすごいと思った…。」
ムーン1「あの、鏡の中の殿下が何か言ってますよ」
ミハイル『僕はまじめに仕事をしたり人の役に立とうと思っているだけなのになぜ追いまわすのです!』
ミハイル「何を言ってるんだ。この偽物は」
ムーン1「円陣!」
ムーンたちは鏡の中の殿下の言葉に全員で円陣を組んだ。
ムーン1「思い出してみると左手で書類にサインしていた。鏡像だから左利きになるのは当然だがそれだけじゃなくキャラクターも裏返しになっているらしい。」
マリア「裏返し……ちょっと失礼します。」
ムーン2「というと?」
ムーン1「ケチでわがままで怠け者の性格が鏡に反射して反対になっているんだ。」
チコ「つまり鏡の中の殿下は素直で働き者でおそらくお金にもセコくないんでしょうね。」
ムーン3「夢のような話だな」
ムーン1「鏡像の偽物であるが理想的な殿下と本物ではあるがいばってばかりでドケチのしょーもない殿下とどっちを選ぶ?」
「「「そりゃ決まってる」」」
ミハイル「こら何を相談してるんだ」
円陣を素早く解くとムーンたちは殿下を押さえつけた。
ムーン1「鏡の殿下お出ましください」
ミハイル『……』
ムーン1「全員一致であなた様を新しいご主人に決定いたしました。」
ミハイル「なっ!何を言ってる!お前たちの主人は僕に決まってるじゃないか!」
ムーン1「やかましい大飯ぐらいの役立たずに用はない!新しい国王のもと、新生エメラダ王国を築くのだ旧国王は死ぬまで地下牢に幽閉だー!」
ミハイル「なななっ!」
マリア「あのー、皆さんダメですよ。鏡の殿下さんは使えません。書類を確認してみましたけどサインが全部鏡像文字でこれじゃ仕事になりませんよ。」
それを聞いた瞬間、殿下を捕えていたムーンたちが鏡の殿下を取り押さえた。
ムーン1「殿下、早くとどめを!」
ミハイル『ええっ!?』
ミハイル「と、とおっ!」
鏡の殿下を本物がぶん殴ると粉々に砕け散った。どうじに大鏡も霧散してしまう。
ムーン1「おわかりでしょうがもちろん全てはニセ者を油断させるための計画だったのです。」
ムーン2「われわれはいつまでも殿下の忠実な家来です。」
「「「ハッハッハッ」」」
いやーこいつら本気だった。まことに人の心は鏡に映る虚像のように信用できないものだ、と考えさせられたミハイルでした。