ー日常ー街の住人達【10】

ー常春の国エメラダ:ミハイル宮殿ー

「たいへんだー!港で大型貨物船が爆発事故を起こして沈没したー!」

「海底油田の火災事故が発生!」

「ジャンボジェット機がエンジントラブルでミハイル山に激突!」

さらに立て続けに大きな事故が起こり始めたのだ。

ムーン1「死傷者は!?」

ムーン2「幸い回送中で誰も乗ってなかった!パイロットはパラシュートで脱出したもよう!どうやら、すべての事故の直前にパイライフが目撃されているらしい!」

ムーン1「パイライフが災厄の前触れというのは本当だったー!」

ムーン2「というかパイライフが事故を引き起こしてるんじゃないのかー!」

宮殿内も大混乱の中、聞き耳を立てていたトムはこれはチャンスだとある行動に出た。

~~

チコ「エメラダ新聞社から緊急連絡です!ミハイル山の核ミサイル格納庫付近でパイライフを見たとの目撃情報が寄せられたそうです!」

「「「ええっーー!」」」

ムーン1「ミサイルが爆発したら大惨事になるぞ!」

チコ「すぐ現場に直行した方がいいのでは?」

ムーン1「場所を知らない!」

チコ「えぇっ?!」

ムーン1「殿下はどこだー!」

チコ「あれ?(そういえばこんな大事件が起きてるのに殿下はあんまり反応してない……というか、見ていない?)」

トム「(これでよし、新聞社がニュースを流して国民は不安に陥る安全性を立証しなければ国王の立場は悪くなるから、どうしてもミサイルを公開しないわけにはいかない。なければできないし、あってもダミーか本物かは見ればわかる。)」

ムーン1「殿下を探せー!!パイライフの調査は後回しだー!」

ムーン2「わかった!」

ムーン1「ほんとにわかったか!」

ムーン2「殿下は後回しで調査がパイライフの長さんはいわゆるひとつの長嶋監督!」

ムーン1「ぜんぜんわかっとらーん!」

ムーン3「殿下とパイライフ……思い出した!!」

ムーン1「この期に及んで余計な事を思い出すな!話がややこしくなる!」

ムーン3「パイライフをどこで知ったか思い出したんだ!殿下に聞かされたんだ!」

「「「えっ!!」」」

ムーン3「みんなもよーく思い出してみろ」

~~

ミハイル『お前たちもよく知ってるだろう。例のパイライフ』

『『『は?』』』

ミハイル『ほら、おとぎ話によく出てくる』

『あっ、あのパイライフね(パイライフ?)』

『(みんな知ってるのか?)あー、あれですねー』

~~

ミハイル『変な形をしたケーキだなぁおとぎ話に出てくるパイライフみたいだ』

『いわれてみればそうですね』

『なんとなく似てますね』

~~

ミハイル『こらこら夜爪を切るとパイライフが来るぞ』

『よしてください。パイライフなんておとぎ話じゃないですか』

『『ハッハッハッ』』

ミハイル『パイライフが……パイライフで……パイライフに……』
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