ー日常ー街の住人達【10】

ー某所:???ー

強行突破後、お熊たちの秘密基地まで避難してようやく一息がつけた。だが、大事なのはこれからなのだ。

お熊「ドク、カチンスキーは大丈夫ですか?」

白衣を着た坊主頭の男がベッドに寝かされたカチンスキーを見ながら言った。

ドクター「作用が強すぎて自白したあと、心臓が持たずに絶命するケースも多い薬ではあるが……この男は心配いらない安定している。きっとゴリラ並みの体力をもってるんだろう。」

お熊「よかった。死なれちゃ元も子もありませんからね。」

CIA員「スイスの複数の銀行に資金を分散して隠しているという情報はキャッチしているそれぞれの銀行名は?」

カチンスキー「ブッブッ……」

CIA員「ロイヤルアスコットに…ふむ…ほお、金庫に近づくためのパスワードは共通しているのか、それは?」

カチンスキー「アルハンブラ……」

CIA員「各々の金庫のロックの解除コードをまずロイヤルアスコット」

カチンスキー「1…9…8…Z…」

CIA員「自白剤の効き目ってのは空恐ろしいもんだな…」

お熊「まったくだわね」

マリア「はー……メークを落として着替えたらやっと落ち着きました。」

お熊「おマリちゃん。ちょっと待ってて、続けてあとは任せるわ」

CIA員「了解」

お熊「ドク、白状させてから資金を回収するのには時間がかかります。カチンスキーはずっと眠らせておいてください。」

ドクター「いわれるまでもないよ。」

指示を終えたお熊はおマリを連れて別室に向かった。

マリア「私、どうやら途中で気を失ったらしくて、よく覚えてないんです。なにがあったんですか?」

お熊「あなたカチンスキーに手籠めにさかけたのよ。」

マリア「それは覚えてます。」

お熊「私たちは不測の事態に備えて、すぐ近くで待機していたの。なにがおこるかわからないから自白剤からマシンガン、バズーカまで用意してね。」

マリア「まさか……バズーカを撃ったんですか?」

お熊「残念ながらその必要はなかったわ。撃ちたかったけど。ともかく待機していたら胸のマイクを通じて、あなたが襲われそうになっているのが聞こえたの。ほっておけないわ。おマリちゃんの貞操はともかくとして」

マリア「いやいや、そこも心配してくださいよ。」

お熊「自分好みの女じゃなく子供だとバレたら殺されるかもしれない。なにしろ相手は凶暴な男だから、そこで計画も何もなく警察だといって飛び込んだの。幸いカチンスキーが油断したから自白剤を打つことができて、そのあと薬の作用で失神したカチンスキーとおマリちゃんを担いで強行突破したってわけ。」
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